2008年6月22日日曜日

陪審員

教室を掃除していたら出てきた書類その2

アメリカには陪審員の義務があります。成人ならランダムで選ばれる陪審員になって裁判に参加しなければなりません。これは国民の義務。そう、アメリカ国民の義務です。でもどこで何を間違えたのか、僕の元に召喚令状が届きました。こちらがその召喚令状





ちなみに出頭日は四月一日のエイプリルフール、、、、、まさかねぇ。


電話して市民ではないことを告げると、あっさりと来なくていいよと言われました。ああそうですか。

2008年6月19日木曜日

掃除

学校は今週から夏休み。それでもせっせと登校しては教室の掃除をしています。書類が多くてちっとも片付かない。ファイルキャピネットの整理をしていると、ふと今年生徒が描いた絵が出てきました。

絵の題材は「ぐりとぐら」森に散歩に行ったら巨大な卵を発見。その卵でホットケーキを作り、森の仲間達と一緒に食べるというストーリー。最後に卵の殻で車を作り、運転して帰るという落ちがつきます。ネズミは小さいし、発見した卵は巨大なのでサイズに問題はありません。

本を読んだ後に、生徒に一番楽しかった所を絵に描かせた記憶があります。たいてい子供達はホットケーキか卵の殻の車のシーンを描いているのですが、その中で一つ気になる絵が




エッグカー炎上

向きの調整がどうもうまくいかなくてすみません。アップするとどうしても向きが変わってしまうんです。

2008年6月10日火曜日

卒業式

先週は卒業式でした。五年間教えた生徒たちともお別れ。今年卒業した8年生には苦労しました。といっても三年前の魔のトリオ(Unholy Trinityと密かに呼んでいました)に比べたらまだまだ可愛かったですけど。



毎年卒業式では各外国語クラスがプレゼンテーションをします。たいていその言語が話されいる国の国歌を暗唱します。スペイン語の場合は使われている国がたくさんあるので何処か一つの国の国歌を選ばずに、スペイン語の詩を暗唱していました。フランス語も使われている国はたくさんあるのに、ここは堂々とフランス国歌です。何を選ぶかは担任の先生の意向が深く関わっているので、ちょっとコメントしにくい部分でもありますね。

そこにいくと日本語なんて日本でしか使われてないのだから国歌を選ぶ必要なんかありません。君が代で決まり。でもねぇ、、、別に悪いって訳じゃないんですけど、あまり個人的に好きじゃないってのと、歌わずに暗唱するわけですから、盛り上がりに欠けるんですよ。

僕の先任のJ先生は「仰げば尊し」を暗唱していました。うん、卒業式にはピッタリというか、まさに卒業式のための歌ですね。僕の代になってからは森山直太郎の「さくら」を暗唱していました。あの歌、結構好きなんです。



さてさて、今から遡ること約4ヶ月前。8年生たちに「さくら」を紹介した所、暗唱じゃなくて歌いたいと女子が言い出しました。ところがいざ歌ってみると男子がサッパリです。男子中学生はやる気も音域もない。全く歌になりません。これじゃやっぱり暗唱するしかないのかなぁ、女子がせっかくやる気になっているのにねぇ。

そこで考えたのがラップ。ラップなら音程なんか関係ナシです。リズムさえあっていればそれでよし。しかも10年ほど前に流行ったGrateful Daysなんて名曲があるじゃないですか。歌詞の内容も卒業式に使っても問題なさそうですし。ニコ動にアップされているDragon AshのMusic Videoを見せたらやる気のなかった男子も俄然やる気になりました。これで卒業式のプレゼンテーションはDragon AshのGrateful Daysで決定です。




ところが世の中そう簡単にはいかない。日本語クラスだけ歌って他のクラスは暗唱だと浮いてしまいます。そこで早速計画実行。アメリカの学校では何をするにもまず校長の許可をまず取り付けてしまう事です。生徒達に校長宛の請願書を書かせます。内容は「今年の卒業式で暗唱する代わりにラップをやらせてほしい。もし許可してくれるのなら自分達のベストを尽くしてこの日本語のラップをモノにするし、これは日本語を学ぶ上でも非常に有効である。」といったかんじです。クラス全員が請願書に署名して、更に生徒達がラップの最初の部分を歌っているのを録音したデモCDを作成して請願書と一緒に提出。やる気のある所をアピールさせます。そう、あくまでも生徒がやろうとしている、という事がポイントです。

他の言語の先生達への配慮も怠ってはいけません。ネマワシ、ネマワシ、、、、、、うししし。昼食の時間にそれとなく「今日は天気がいいねぇ。ところで、ウチの八年生達が卒業式で暗唱する代わりに歌いたいって言い出したんだけど、どうしたらいいかなぁ?」こういう質問をすると大抵の場合、「じゃぁ校長に聞いてみたら」という反応が返ってきます。案の定、イタリア語の先生がその返答を返してくれました。

請願書を読んだ校長は二つ返事でOK。次の日のランチタイムで「今日も天気がいいねぇ。ところで、昨日の話だけど、校長は生徒が歌いたいっていうのなら歌ってもいいってさ。」これで終了。他のクラスが何をしようと、日本語はラップを歌う了解を校長と同僚から取り付けました。日本に比べるとずっと簡単に物事が運びますよね。

次に訪ねたのは音楽の先生。彼女は卒業式の音楽担当です。彼女にGrateful Daysの曲を聴いてもらい、ピアノの伴奏を依頼。快く引き受けてくれただけでなく、バイオリンの先生にも話を付けてくれるとの事。というわけで、日本語クラスのプレゼンテーションはピアノとバイオリンの伴奏付きというゴージャスなセッティングになりました。



お膳立てはしました。後は生徒達が頑張ってくれるだけ。勉強はサッパリの学年でしたが、ラップは乗り気で練習しました。卒業式当日、日本語クラスのGrateful Daysは皆様から大好評。めでたし、めでたし。