2008年12月21日日曜日

冬休み前の雑記2

発表会の出し物はKindargartenなので歌を歌う事に決定。うん、歌なら一番無難だね。日本語クラスの歌は「雪」

♪ゆーきや こんこ あーられや こんこ 
ふっても ふっても ずんずんつもる♪
早速歌の練習を始めたのですが、Bちゃんが一人で床の上で伏せています。

「何してるの?一緒に歌わないの?」
「私はホットケーキ♪ぺったんこー!」
、、、、、ん?ホットケーキ?ああ、それで寝そべってたのね。とりあえず、練習しようよ。

今度はBちゃんのホットケーキに感化されたJ君が
「僕はチョコレートチップホットケーキ♪ぺったんこー!」
Sちゃんも負けずに
「私はブルーベリーホットケーキ♪ぺったんこー!」
ああ、いつの間にか教室に三枚のホットケーキが出現。どうする、どうする?こうしている間にも次々と追加オーダーが出現。このままだと収集がつかなくなる。

「ホットケーキをたくさん焼いたらフライパンが熱くてもう使えません。ホットケーキこれではおしまい。」
これでどうにか練習に戻れると思いきや、
「じゃぁ、私はバターね。」そう言ってBちゃんの上に蕩けるKちゃん。
「僕はホイップクリーム。」J君の横に座り込むD君。
思っていた以上に手ごわい。5歳児の想像力を侮るなかれ。仕方ねぇ、最後まで付き合ってやるか。
「それじゃ、美味しそうなホットケーキを食べるぞー!」

合計9枚のホットケーキと様々なトッピングを平らげた後、漸く歌の練習ができると思ったら授業時間が終了。歌うのやめてホットケーキのモノマネでも発表しようか。

冬休み前の雑記

今から遡る事4週間前、外国語部のミーティングにて仏語の先生が一言。
「冬休み前に発表会をしたらどうかって校長が言ってるんだけど。」

一瞬固まる空気。0.5秒ほどのタイムラグの後、喧々囂々
「えぇ、何それ?今からなんてちょっと性急すぎない?」
「練習とかするの?授業はどうなるの?」

仏語の先生は続けて
『「学んだことを発表することはヨイコトデス。」って校長が言うからOKしてきたの。』
とって付けたような理由、機械的な命令と提案の中間的な物言い、これぞウチの校長だわ。
「発表会の日取りは17日の水曜日ね。それで、場所なんだけど図書館なんてどうかしら?」

ちょっとまったー!もう日取りが決まってたの?議題は発表会の有無じゃなくて、場所について?チクショウ、仏語の先生は校長とグルだったか。薄々気づいてはいたけど、この手回しの良さからして、、、
「司書の先生は快諾してくれたわ。」
やっぱり、既に場所も既にキープしてあったか。

「それじゃぁ、発表する学年だけど、、、、」議題を進行する仏語の先生。俺はあんたの事が信じられんよ。
「Kindergartenがいいわ。どうかしら?」とスペイン語のN先生が一言。うん、こうなったらそれしかない。Kindargartenなら上手にいかなくても「可愛い」で済まされる。他の先生もN先生の意向が解かったのか、口々にKindargatenを薦め始め、結局発表する学年はKindargartenに決定。亀の甲より年の功。N先生、あなたの一言に助けられました。

2008年12月1日月曜日

地下鉄哀歌

シカゴの地下鉄の駅のプラットフォームには芸人さんがいます。タップダンスしたり、サックスを吹いたり、ドラムを叩いたり、馬頭琴を弾いたり、詩を朗読したり。上手な人から下手な人まで多種多様な芸人さんがいます。今日は通勤途中で耳にした歌について。


作詞、作曲:ジャクソン駅のおっちゃん
和訳:オカムラ
※音はドドファソ、ミミレドでお願いします

I lost my money, I don't care~
俺にはカネがねぇ、気にしちゃいねぇけどな

I lost my home, I don't care~
(家賃を滞納したら)家から追い出されたよ、気にしちゃいねぇけどな

I lost my jacket, I don't care~
ジャケットもねぇよ(とっくの昔に質屋だよ)、気にしちゃいねぇけどな

I lost my sneakers, I don't care~
靴もねぇな(こいつも質屋だったな)、気にしちゃいねぇけどな

I lost my health, I don't care~
(不摂生が元で)病気になったよ、気にしちゃいねぇけどな

I lost my job, I don't care~
(不景気だからよ)仕事もクビになったよ、気にしちゃいねぇけどな

I lost my wife, I don't care~
とうとう女房にも逃げられたよ、気にしちゃいねぇけどな



おっちゃん、あんたの行く末が気になるよ。

2008年11月28日金曜日

慣れ

四年生のX君
宿題はやってこない、ノートは落書きだらけ、僕が板書をしている隙を突いて踊ってみたり、鉛筆と机でドラム演奏をしたり、典型的な「落ち着きのない子供」です。

数日前の授業中、黒板掃除のためにおいてあったスポンジが床に落ちました。それを見た瞬間、X君が大声で「スポンジボブ スクウェアパーンツ!」(←アニメのキャラです) 日ごろは集中してないくせに、こんな時に限って高速で反応します。

その直後は「スポンジボブ スクウェアパンツ」の大合唱で授業中断。まずX君を廊下に出しておいて、残りの生徒には「もう四年生なんだからいい加減にしなさい」と叱り、再び取って返してX君と話をします。
廊下で僕と一対一になると途端に神妙な表情で僕の話を聞くX君。話の最後に「もうやるんじゃないよ」と言うと、その瞬間俯いていたX君の顔が「ニヤリ」

今までに散々説教を食らっているので、やり過ごし方を身に着けた様です。

近所のチキン屋

自宅のそばにフライドチキンのお店があります。ケンタッキーと似てるけど違います。ちなみに、こっちじゃフライドチキンを良く食べる人種はアフリカ系アメリカ人です。ステレオタイプと言われそうですが、でも実際によく食べてます。このお店でチキンを頬張っているのは老いも若きも皆黒人。そこにアジア系である僕が紛れ込むと、「Hey, ’Sup my Asian Brother?」なんて声も掛けられます。

昨晩、無償にチキンが食べたくなってそこのチキン屋に行くった時、(友人Kの「だから太るのよ」という声が聞こえる)これまたいかにもな場面に出くわしました。一人のおじさんがチキンを食べながらマリファナを巻いてるんです。もちろんお店の人に追い出されてましたけど。でもねぇ、シカゴの黒人=麻薬中毒 みたいなステレオタイプがモロ成立する場面でした。


そのおじさん、お店の外でこれ見よがしに「ぷふぁーー」って吹かしてました。「それ、ほんとにマリファナ?」ときいたら$20で一本ゆずってくれるとの事。「いいえ、結構です。」
横にいたおばちゃんが「そりゃボッタクリだわ。」って笑ってました。

2008年8月20日水曜日

借金取りからの手紙

読んで字のごとく、借金取りから手紙がきました。

要点をまとめると、緊急医療室でとったレントゲン写真の代金を30日以内に支払わない場合はクレジットビューロに通報します。

思い出してみれば、今年の二月、歯医者のミスで矯正に使っていた金具を飲み込んでしまい、肺に入ったら一大事というので、緊急医療室に行ったっけ。もちろん代金は歯医者持ちのハズでした。ところが、歯医者がレントゲン代を払いそびれために病院が慌てて、
「こいつは治療代を払わずにバッククレたから、さっさと金を搾り取ってくれ」といわんばかに僕の名前を借金取りに渡したらしい。

このクレジットビューロ、クレジットヒストリーを管理している機関で、ここのブラックリストに名前が載ってしまうと、もう大変。金銭面での信用度がガタ落ちして、どこからもローンが借りられなくなる。

借金取りから手紙をもらってから歯医者と闘うこと一ヶ月、ついに歯医者から「これは私どもの過失です。代金の請求はこちらにお願いします。」といった内容の手紙を書かせることができました。

2008年6月22日日曜日

陪審員

教室を掃除していたら出てきた書類その2

アメリカには陪審員の義務があります。成人ならランダムで選ばれる陪審員になって裁判に参加しなければなりません。これは国民の義務。そう、アメリカ国民の義務です。でもどこで何を間違えたのか、僕の元に召喚令状が届きました。こちらがその召喚令状





ちなみに出頭日は四月一日のエイプリルフール、、、、、まさかねぇ。


電話して市民ではないことを告げると、あっさりと来なくていいよと言われました。ああそうですか。

2008年6月19日木曜日

掃除

学校は今週から夏休み。それでもせっせと登校しては教室の掃除をしています。書類が多くてちっとも片付かない。ファイルキャピネットの整理をしていると、ふと今年生徒が描いた絵が出てきました。

絵の題材は「ぐりとぐら」森に散歩に行ったら巨大な卵を発見。その卵でホットケーキを作り、森の仲間達と一緒に食べるというストーリー。最後に卵の殻で車を作り、運転して帰るという落ちがつきます。ネズミは小さいし、発見した卵は巨大なのでサイズに問題はありません。

本を読んだ後に、生徒に一番楽しかった所を絵に描かせた記憶があります。たいてい子供達はホットケーキか卵の殻の車のシーンを描いているのですが、その中で一つ気になる絵が




エッグカー炎上

向きの調整がどうもうまくいかなくてすみません。アップするとどうしても向きが変わってしまうんです。

2008年6月10日火曜日

卒業式

先週は卒業式でした。五年間教えた生徒たちともお別れ。今年卒業した8年生には苦労しました。といっても三年前の魔のトリオ(Unholy Trinityと密かに呼んでいました)に比べたらまだまだ可愛かったですけど。



毎年卒業式では各外国語クラスがプレゼンテーションをします。たいていその言語が話されいる国の国歌を暗唱します。スペイン語の場合は使われている国がたくさんあるので何処か一つの国の国歌を選ばずに、スペイン語の詩を暗唱していました。フランス語も使われている国はたくさんあるのに、ここは堂々とフランス国歌です。何を選ぶかは担任の先生の意向が深く関わっているので、ちょっとコメントしにくい部分でもありますね。

そこにいくと日本語なんて日本でしか使われてないのだから国歌を選ぶ必要なんかありません。君が代で決まり。でもねぇ、、、別に悪いって訳じゃないんですけど、あまり個人的に好きじゃないってのと、歌わずに暗唱するわけですから、盛り上がりに欠けるんですよ。

僕の先任のJ先生は「仰げば尊し」を暗唱していました。うん、卒業式にはピッタリというか、まさに卒業式のための歌ですね。僕の代になってからは森山直太郎の「さくら」を暗唱していました。あの歌、結構好きなんです。



さてさて、今から遡ること約4ヶ月前。8年生たちに「さくら」を紹介した所、暗唱じゃなくて歌いたいと女子が言い出しました。ところがいざ歌ってみると男子がサッパリです。男子中学生はやる気も音域もない。全く歌になりません。これじゃやっぱり暗唱するしかないのかなぁ、女子がせっかくやる気になっているのにねぇ。

そこで考えたのがラップ。ラップなら音程なんか関係ナシです。リズムさえあっていればそれでよし。しかも10年ほど前に流行ったGrateful Daysなんて名曲があるじゃないですか。歌詞の内容も卒業式に使っても問題なさそうですし。ニコ動にアップされているDragon AshのMusic Videoを見せたらやる気のなかった男子も俄然やる気になりました。これで卒業式のプレゼンテーションはDragon AshのGrateful Daysで決定です。




ところが世の中そう簡単にはいかない。日本語クラスだけ歌って他のクラスは暗唱だと浮いてしまいます。そこで早速計画実行。アメリカの学校では何をするにもまず校長の許可をまず取り付けてしまう事です。生徒達に校長宛の請願書を書かせます。内容は「今年の卒業式で暗唱する代わりにラップをやらせてほしい。もし許可してくれるのなら自分達のベストを尽くしてこの日本語のラップをモノにするし、これは日本語を学ぶ上でも非常に有効である。」といったかんじです。クラス全員が請願書に署名して、更に生徒達がラップの最初の部分を歌っているのを録音したデモCDを作成して請願書と一緒に提出。やる気のある所をアピールさせます。そう、あくまでも生徒がやろうとしている、という事がポイントです。

他の言語の先生達への配慮も怠ってはいけません。ネマワシ、ネマワシ、、、、、、うししし。昼食の時間にそれとなく「今日は天気がいいねぇ。ところで、ウチの八年生達が卒業式で暗唱する代わりに歌いたいって言い出したんだけど、どうしたらいいかなぁ?」こういう質問をすると大抵の場合、「じゃぁ校長に聞いてみたら」という反応が返ってきます。案の定、イタリア語の先生がその返答を返してくれました。

請願書を読んだ校長は二つ返事でOK。次の日のランチタイムで「今日も天気がいいねぇ。ところで、昨日の話だけど、校長は生徒が歌いたいっていうのなら歌ってもいいってさ。」これで終了。他のクラスが何をしようと、日本語はラップを歌う了解を校長と同僚から取り付けました。日本に比べるとずっと簡単に物事が運びますよね。

次に訪ねたのは音楽の先生。彼女は卒業式の音楽担当です。彼女にGrateful Daysの曲を聴いてもらい、ピアノの伴奏を依頼。快く引き受けてくれただけでなく、バイオリンの先生にも話を付けてくれるとの事。というわけで、日本語クラスのプレゼンテーションはピアノとバイオリンの伴奏付きというゴージャスなセッティングになりました。



お膳立てはしました。後は生徒達が頑張ってくれるだけ。勉強はサッパリの学年でしたが、ラップは乗り気で練習しました。卒業式当日、日本語クラスのGrateful Daysは皆様から大好評。めでたし、めでたし。

2008年3月7日金曜日

もう一度やり直し

低学年の生徒が廊下や教室で走ったりすると、先生達は「もう一度正しくやり直しなさい。」と言います。言われた生徒は椅子に戻って、もう一度最初から移動をやり直します。走ったのが問題なわけだから、今度は歩く。単純な作業ですが、これも大事な指導。



一年生のG君。何かいい事でもあったのか、ただ単純に浮かれていただけなのか、今日は教室に踊りながら入場しました。踊りのフィニッシュはでんぐり返し。僕もG君にドアの所からもう一度やり直すように言いました。ドアまで戻ったG君。今度はテテテと助走をつけてコロンとでんぐり返し。その通り!踊らずに直接回転に入るのが正解です。

2008年2月24日日曜日

おにぎり

五年生はリサーチプロジェクトで日本の都市を調べます。簡単な旅行ガイドを想像してもらえばいいです。内容は地図、お勧めスポット、食べ物の三つ。写真か挿絵をいれて説明を書きます。観光スポットはネットで調べられても食べ物はなかなか難しい。シカゴのような都会に住んでいても日本食なんて食べたことのない生徒だってたくさんいます。

いくらネットで検索しても実際に食べたほうが良いという事で今学期は少しずつ色々な日本食を食べさせています。最初が煎餅。その後ヨウカン。鶏のから揚げは大好評。そしてこの前がおにぎりでした。

梅干、たくあん、たらこ、若菜ふりかけとワサビふりかけを用意。この学年は昔からスルメが好きだったりと変わり者が多いので、結構いけるんじゃないかと思ってましたが、やっぱりたらこは辛すぎるらしく敬遠してました。意外と好評だったのがワサビふりかけ。たらこの唐辛子はダメでもワサビは平気な子供がいました。

しかし一番人気は海苔。魚臭いと言って食べない子が二人居ましたが、残りの生徒は全員気に入ったようです。「ならば、秘蔵の味付け海苔を食べさせてしんぜよう!」と言って出した照り焼き味の海苔は奪い合いになりました。↑子供相手は演出も大切なんです




日本語クラスがワイワイガヤガヤおにぎりを作っている最中に、スペイン語クラスの生徒が「どうして日本語クラスばっかり楽しいことをやってるんだ」とブツクサいいながらドアの横を通ったので、あまったおにぎりを一つあげました。

たらこ入りワサビふりかけのコーティングのおにぎりを食べたその子は「がふっ!」と噴き出した後、咽び泣きながら水を飲みに走って行きました。それ以来、スペイン語クラスの生徒が日本語クラスを羨む事はありません。

2008年2月18日月曜日

日本語の難易度

二年生にカタカナとひらがなのカードでゲームをしている時にKちゃんが一言「どうして日本語にはこんなにたくさんの文字があるの?」うーん、ごもっとも。更に漢字を数えだしたらどうなることやら。

僕の勤める学校では五つの外国語を教えています。フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語、そして日本語です。二年前にロシア語から中国語に変わりました。同僚の先生や親は日本語は難しい言葉だという見解を持っています。もちろん英語のアルファベットがそのまま使える(多少の違いはありますが)スペイン語、フランス語、イタリア語に比べれば日本語は全く違った文字ですし、数だって多い。「あ」から「ん」までの基本の46字に加えて濁音や半濁音。更に音が混ざる拗音まで数えたらきりがない。更にカタカナまで含めれば単純計算で文字数は二倍になるし。


今までは親や同僚に「日本語は難しいでしょう?」と訊ねられる度に
「いえいえ、日本語はPhonicsみたいなものだから、英語でPhonicsができれば日本語でも応用が利きますよ。」と話していたんです。仮名を使用している限りはその通りだし、日本語の母音は英語の母音の発音のように複雑じゃない。


ところがどっこい、日本語教師会の研修である研究結果が紹介されました。以下にリンクを貼り付けておきますね。(英語のサイトです)
http://www.nvtc.gov/lotw/months/november/learningExpectations.html


一言で要約してしまえば、「やっぱり日本語は難しい」

もう少し詳しく書きます。一番下の表が大切です。この表は英語が母国語の生徒が外国語を学ぶ際、レベル3の言語能力に達するのに必要な授業時間を言語別に整理したものです。つまり、授業時間が長ければ長いほどその言語は学ぶのが難しいということです。

フランス語、スペイン語、イタリア語は22-23週間、授業時間に換算して575-600時間でレベル3の言語能力に達します。日本語と中国語は88週間、授業時間に換算して2200時間かけてやっとレベル3に達します。とりあえず最低でも3倍以上ですね。やはり英語を母国語とする人にとっては日本語は非常に難しいということでしょう。

難しいからといてって小学校レベルの授業で必死になって教えても限界があるんじゃないかって思えるんです。教えても意味がないわけじゃありません。文法や語彙をガシガシ教えて、少しでも他の言語とのギャップを埋めようとするより他に方法があるんじゃないかと。そもそも「最低三倍」の壁は埋めようとして埋められるものじゃないですよね。それに、ハードルが高くなればなるほど、生徒の負担が増すという事も覚えておかなければいけません。







というわけで、今週の授業ではうどんとおにぎりをを作って食べる事にします。やっぱり楽しいのが一番。

2008年2月13日水曜日

日本語は何のための言葉?

今年も文化授業の一環として浴衣の着付けを始めました。対象は6年生と7年生。去年手伝って頂いた松田さんに今年も来て頂きました。こういう方が一人居てくださるだけで本当に助かります。松田さんのほかには六年生の担任のE先生と七年生のB先生にも同席してもらいました。この二人の先生は手伝いではなくて、自分が男性教員であるために、年頃の女生徒に帯を巻きつける時なんかは必ず一緒に居てもらう必要があります。何かの拍子で体がぶつかったりした時に証言をしてくれる女性の先生が居ないと大変ですから。訴訟社会ですからね、アメリカは。


今年は浴衣のバリエーションもチョット増え、髪飾りとして櫛も買ってきました。なんだかんだいったって、やっぱり女の子ですよ。浴衣や櫛を物色したり、肌の色と浴衣の色を比べたり、髪飾りを付け替えたり、人種は違えどやっぱり女の子かなぁ。皆で揃って記念写真を撮ったら「ちょっと他のクラスに行って見せてきていい?」といきかれ「ああ、いいよいいよ。いっといでー。」この時点ですでに浴衣着た子達にお願いされたら「何でもおっけー」状態です。 ←いいのかそれで!?






六年生には日本のアニメやら漫画の好きな女の子が二人います。浴衣の着付けを教え始めた先週当たりからその片方のTちゃんと色々な会話をしました。Tちゃんはアニメや漫画のほかに日本のゲームなんかもやってます。そのTちゃんが浴衣の帯を見ながら、
「これってFFのユウナの着物と同じヤツ?」と僕に聞いてきました。日本のRPGとかこっちで英語版になってるし、知っていてもおかしくないな。「そうだね、同じでいいと思うよ」と答えたら
「私達はコスプレしてるの?」と一言。Ko Su Pu Reって英語発音で言われて一瞬なんの事だ理解不可能でした。その質問には全力で否定しておきました。これは断じて文化の授業であってコスプレではありません。
そして今日の質問は一段と確信に迫るものでした。
「じゃ、メイドさんなら?」と一言。ちょっと考えてから「うん、メイドならコスプレだな、間違いなく。」





秋葉原のメイドさんのことを知っているアメリカ人が日本語を受講する。時代が移れば変わるんですね。ウチの学校に日本語が新設されたのは1990年あたり。ここにきてビジネスのための日本語は大きく変わりつつあります。アニメと漫画が好きでたまらない、どうせなら英語の字幕や吹き替えではなくて日本語で楽しみたい、そんなコアな海外オタクたちの言葉になりつつあるのではないでしょうか。春休みに日本に行く時には原宿をやめてアキバにするのも検討してもいいかな?


これってもしかしたら重大な発見かもしれませんよ。同席してもらったE先生とB先生は生徒が浴衣を着るのを見て「素晴らしい日本文化の体験授業だったわ。」とコメントしてくれました。まぁ、これが普通のコメントなんですが、この文化授業すら一部の生徒にとってはKoSuPuRe体験学習ですよ。なんじゃこの温度差は!文化体験学習とコスプレ体験学習じゃありがたみが全然違うよって最初は思ったんですよ。でもね、もしかしたら、これは時代が変わりつつあるサインかもしれないじゃないですか。日本語はビジネス言語ではなくてアニオタの言語として世界に飛躍するのかもしれません。



ちなみに、ごく一部の日本の文化に大変興味のあるTちゃんは絵がとても上手です。授業中にノートに落書きをしていたのを没収したら「ダメだよ、ちゃんとノート取らなきゃ、、、、って うわぁ、すげぇ、うまいじゃん!これ自分で描いたの!?」みたいな事がありました。どんな漫画が好きなのってきいたら、たくさん列挙してくれました。彼女のリストの中に「X」があったのは見逃せません。そう、彼女はアメリカ版腐女子の卵、、、、(誤字ではありませんよ)

2008年2月12日火曜日

冷蔵庫の中には

風邪を引きました。咳と鼻水です。ぜんぜん眠れないので月曜日は病欠でした。こんな時は栄養のあるものを食べねばと考えつつ冷蔵庫を開けると日本酒とビールのみ。アルコール消毒デスカ?どこで道を誤ったのだろう。

気を取り直して、とりあえず睡眠を取る事から始めることに。咳と鼻水に悩まされて睡眠不足なので、ちっとも回復しない。こういうときはNyQuil(ナイクウィル)です。こっちの風邪薬で効果抜群。飲んで20分もすると鼻水と咳が止まり、30分も経つとものすごく眠くなる。漸くグッスリ眠ったと思ったら喉の渇きで5時間後に目覚めます。唇カサカサ、喉カラカラ。ちょっと効きすぎかなと思いつつ冷蔵庫へ、、、、、

日本酒とビールしかなかったんだっけ

2008年2月5日火曜日

日記の補足 と 斜め45°

最近の日記の補足を少々


「フリーダイアル」ですが、僕の両親は離婚してません。離婚と間違われてもおかしくないような状況ですけどね。片方はテネシー。もう片方は東京で神学大学の一年生。冷静に見れば、離婚なんぞしている暇も金銭的な余裕もないんじゃないかな?


「ウソ」で自白してしまたったS君。今日も宿題を忘れましたが、そっぽを向きながら「シュクダイヲ イエニ ワスレマシタ」ってメカっぽい声ではなしました。だからさ、そんな後ろめたさ100%で話されてもねぇ。僕の目を見ようとしない時点で嘘をついてますって白状してるようなものだし。まぁ、これはこれで面白いから、しばらく放っておいて後から教える事にします。


「それがダメなら」の一年生。猿軍団は卒業して本格的に動物園の様子を呈してきました。猿じゃなきゃ良いてことで、猫のほかに犬、熊、ライオン、ひよこ、ゾウ、オットセイ、イルカ、カンガルー、、、、、、、

今思えば猫はよかった。返事の代わりに「にゃぁ」なんて可愛いもんだ。カンガルーやイルカも椅子に座らせてしまえばどうってことはない。だいたいカンガルーもイルカも鳴き声を知らないからね。オットセイとかライオンとかもうサイアク。「野生の動物は暴れるから教室で飼えないよ」といったのが間違いだった。暴れない代わりに芸をし始めました。火の輪潜り(机の下)とか鼻でボール(消しゴム)を回したりとか、、、、、、、、、、いやぁぁぁぁぁっ!

この一年生は本当に特殊だとつくづく思う。こちらのメッセージが必ず間違って解釈される。「猿がダメ」なら「じゃぁ猫」って解釈だし。「野生動物は暴れるからダメ」っていったら「サーカスばりに調教された曲芸を披露する動物」になるし。こんな子供達でも一歩一歩進歩しているとは思うんだけど、その進歩が斜め四十五度的な感じがするんですよね。素直にまっすぐ一歩前に前進してほしいなぁ。

幼稚園の先生をしていた母へ
「母さん、あなたは本当に立派です。こんな子供達を毎日三十人も相手にしてたんだから。マザーテレサだってサジをなげだすんじゃないかな。」

Japan Trip

日本へ生徒を連れて行く日取りが決まりました

三月十五日 シカゴ出発

三月十六日 東京成田着
品川プリンスホテルへ

三月十七日 
早朝 築地を見学した後朝食
浅草を見学(多分昼食は浅草で)
原宿を見学 北斎展を見学したあと、竹下通りや表参道をぶらぶら
新宿で夕食 疲れているようならそのままホテルへ帰る

三月十八日 
新幹線で京都へ
新都ホテルにチェックインした後は錦市場と大丸で買い物

三月十九日 
二条城を見学
染め物の体験学習
昼食後清水寺へ

三月二十日 
新幹線で広島へ
原爆資料館と平和記念公園を見学して京都へ帰る
夕食はお好み焼きか焼き肉を皆で食べたいなぁ

三月二十一日 関空からシカゴへ帰国


もう一日いても良いかなと思ったんですが、シカゴに帰るのが金曜日の夜なんですよ。月曜日から仕事のある身としては、土、日と余裕を持ちたいのでこういうスケジュールになりました。準備も進んでいます。楽しみだなぁ。

一番心配なのが東京のJR。特に山手線。新宿から品川に行く時間帯が夜の7時ぐらいになりそうなんですよ。まぁ少人数だから気を付けていれば平気でしょう。

2008年2月3日日曜日

ER

ER 救急医療室に行ってきました


歯医者に行って、矯正の経過やら、ワイヤーの締め直しをしたんです。そしたら、ワイヤーの留め金の一部がなくなっていました。そういえば朝飯を食べてるときに何か硬いものを噛んだ記憶が。

矯正士の人が「多分大丈夫だろうけど、念のためにレントゲンを取っておきましょう」ということでその足でERへ同伴されました。とっても親切な矯正士さんでありがたいんですが、あんまり熱心にレントゲンを勧めるもので、だんだん不安に。

ERでまつこと1時間。そういえばドラマのERってシカゴが舞台だったっけ。最初に気づくのは警察官の多さ。頻繁に出入りしています。でも、ドラマみたいにストレッチャーに乗せられた血みどろの負傷者は担ぎこまれてきません。その代わり僕の横には肩関節を外した人と鎮痛剤中毒っぽいおばちゃん。

待つこと2時間、寒いのでトイレに行こうとしたらトイレの前で「誰がトイレに行っていいっていったの!」とえらい剣幕で医者から詰め寄られました。二時間放置されてたうえに、トイレは許可制だとおっしゃってます。ウチの学校じゃ授業中にトイレに行くのは教師の許可が要りますけど、ここは病院ですよ?どうやら薬物中毒者が検尿を誤魔化したり、細工したりするのと間違えられたみたいですね。

ついに三時間。持ってきた本も後一章で終りそうです。漸くレントゲン室にてレントゲンを撮り、「小腸にありますね。明日にでも出てきますよー。」といわれ、それでお終い。無事でなにより。僕が退院するのと同時に、鎮痛剤中毒のおばちゃんも退院してました。でも、見た感じは「放り出す」感じだったなー。多分常連さんなんでしょう。

2008年1月29日火曜日

ウソ

大抵の嘘はバレバレのやつばっかりで、自分のミスを隠すための言い訳のための嘘が多いです。頻繁に聞くのが「宿題」に纏わる嘘です。

「やったけど家に忘れた」
「教室(ホームルームの)に置いてきた」
「車(送り迎えの)に置いてきた」

僕にしてみれば提出する時にないのだから、どの場合も「忘れ」で扱って言い訳には耳を傾けません。宿題が「ない」事にかわりはないのだから、イチイチまともに取り合っていたら時間の無駄です。ただ、あんまり頻繁に続くとこっちもいい加減に聞き飽きてくるし、なによりも生徒の「ふぅ、なんとかやりすごした」っていう顔が気に食わなくなってくる。だいたい、言い訳する時点で嘘である確立は非常に高いわけだし、そういう事が頻繁に起こる時点でほぼ疑いなく嘘であるわけで。



似たような言い訳を使いまわしているS君。彼の「やれやれ、これで今回もトラブルを回避したゼ」という顔に嫌気が差したので、今日は少し心理学を交えて大切なお話をしました。

以下はS君と彼のいる四年生に話した内容です。


先生になるためには心理学を勉強しなきゃいけないんだ。そのなかで学んだ事の一部だけどね、人間の脳は右脳と左脳に分かれているのを知ってる?それぞれ役割が決まっていて、右脳は創造力を、左脳は記憶力を司っているんだよ。そして、人間の神経は脳の下で左右が交差して逆になっているから、右半身は左脳がコントロールして、左半身は右脳がコントロールしてるんだ。

ということは、君達の目が右上に上がれば、それは左脳が働いているわけで、記憶をたどりながら話をしていることになる。つまり記憶をたどりながら覚えている事実を話しているわけ。逆に目が左上に上がれば、右脳を使って創造しながら話しているということ。つまり作り話をしているわけ。ってことは目を見ているだけで君達が嘘を言っているのか真実を話しているのか、簡単にわかるんだよ。

まぁ、イチイチ裏をとって確認するのも面倒だから、たいていは目を見ながら君達の話を聞いているだけだけど、僕にはちゃーんと君達が真実を話しているのか嘘を言っているのか解ってるんだよ。



これをきいたS君、「ああ、なんてこった。全部ばれてたんだ。」と一言。






あのねS君、いくら僕が目を見ようとも物的証拠は全くないわけでさ。今の君の言葉がなによりもの証拠なんだよね。たった今、自分が自白したって気づいてるかい?

それがダメなら

一年生の話

カタカナの練習の一環として、文字の一画目を書いて「じゃ、これが何の字になるか当ててみて」と問題をだしました。例えば「ケ」なら一画目の斜めの線のみを書きます。まだサシスセソまでしか教えてないので、全部で15文字。みんな答えがすぐにわかって元気に手を上げます。自分が答えたくて仕方がないものだから、少しでも目だって当ててもらおうと手を上げながら「うぅぅぅーーー!」て唸りながら手を上げます。

全員で「うぅぅーーー」って唸るのでうるさいったりゃありゃしない。「おサルさんじゃないんだから、やめなさい」と言うと、Dちゃんがトコトコと僕の横にやってきてチョコンと座りました。
「どうしたの?」ときくと返事の変わりに「みゃぁ」




いやぁ、奇遇だねぇ。ちょうど僕もサルは困るけどネコならいいやって考えてたところなんだ!

フリーダイアル

離婚率50%を超える国に居ると離婚再婚なんて頻繁に耳にします。生徒の親だけでなく同僚の先生だってたくさんいます。一月にはいってすぐ放課後に小さな男の子と廊下ですれ違いました。なんでまだ生徒が残っているんだろうと不思議に思っていると、同僚のC先生がふらりととやってきて、「実は主人と別居することに、、、、」と話し始めました。実は離婚も考えているそうです。そんなわけで放課後残って仕事をすることの多い彼女は、まず3:15に近くの保育園に通っている息子を迎えに行き、その足で学校にとんぼ返り。息子と一緒に放課後は5:30まで残って仕事をしています。


そんなご時世ですから、自分の両親が日本とテネシーで別れて住んでいると話すと大抵は「離婚してたんだ」って反応が返ってきます。まぁ無理もないかもね。それがあまりにも普通になっているんだから。ちょっと昔に地下鉄で見かけた広告です。



1-800は日本で言うフリーダイアル0120です。「フリーダイアル リコン」ってとこでしょうか

2008年1月22日火曜日

年賀状

年賀状。アメリカにきてから書いてませんね。というより、アメリカにいる事を口実に逃げてます。でも、これも大切な日本文化として、生徒には紹介してますよ。もちろん今年もクラスで書いてます。本来は年末に仕上げるべきですが、僕は年が明けてから。期末も終わって成績処理に忙しい時は丁度いいアクティビティですから。

今日ご紹介させていただく作品は八年生の男子の作品。彼は一時間かけてこの作品を仕上げました。提出しないで机の中に置き忘れていったあたり、彼の思い入れの深さが垣間見えます。

シカゴの町中に出現した巨大ネズミ。シアーズタワーの横で大きく両手を上げて伸びをしておられます。さて、さっそくスキャナーで取り込んだ彼の年賀状をご覧あれ!















とりあえず「隠しときゃ良い」ってわけじゃないですから。これ、ひょっとして彼の深層心理に潜んでいるヤツがチラっと出ちゃったてやつでしょうか?だめですよーそういう趣向はチラ見せも禁止です。巨大化した上にこれ見よがしですからね。あんな大胆なポージングまでねぇ。

そうそう、彼は年賀状を机に忘れていったんです。ですから次のクラスで入ってきた4年生のMちゃんがこの置き土産を発見。
「先生、なんか変な物があるー」っていって僕のところに持ってきました。Mちゃんにはこの変態ネズミを忘れるように言って聞かせたけど、だいじょうぶかな。

2008年1月3日木曜日

母、草を栽培する

年末はテネシーに住む母と妹達のもとへ帰っています。

帰ってくるたびに増える猫の数。現在、我が家には三匹の猫がいます。猫は大好きなんですが、新しい猫達の性格がちょっとね、、、、特に後から拾われた猫達はひねくれてます。特に二匹目のが人をイライラさせる事をよくする。窓のブラインドをガチャガチャ引っ掻いてお腹がすいた事をアピール。これが一回や二回なら赦せるのだけど、何度も何度もやる。ああウルサイ。そんでもって、膝にのせてなでていると、クルリと向きを変えて尻を向けてくる。しかも後ろ足をのばすものだから尻が顔に近い。可愛くても臭いのはいやだ。


母はそんな猫達がとっても可愛い。そんな母の溺愛ぶりの一端をここに。

キッチンテーブルの後ろに並んでいる植物にまぎれて草が鉢植えされています。そう、草。庭とかに生えてる、何の変哲も無い草。その草が植木鉢に植えられて他の植物と並んでいる我が家のキッチン。猫は消化を助けるために草をちょくちょく食べますが、外が寒いので家の中で食べれるようにと、庭の草をそっくりそのまま鉢植えにしたのでした。

おかげで外から持ってきた土から羽虫が大発生。家の中は暖房が入って暖かいから冬眠から覚めたようです。そんでもってこれを書いている横で例の二匹目が「ウコッ ウコッ ウコッ」ってやったかと思ったらゲロを吐きました。朝からしきりに草を食べていたのはこのためです。部屋の中に草なんか栽培しているから、室内で吐かれるんだよね。吐いた当人はさっさと居間に退散、、、、、吐き逃げかよ。


ゲロ臭いキッチンでPCを打ちたくないので今から片付けます。