2007年4月17日火曜日

忘れ物とお金の価値

お隣のイタリア語のクラスでの出来事

放課後、やれやれと一息ついているとイタリア語の先生のJulieがやってきました。今日は変な忘れ物があったと語る彼女。いったい何と聞いてみると、教室の後ろにパンツが落ちていたそうです。いや、マジで。どうやったらパンツを忘れるんでしょうか。僕の経験で今までで一番おもしろい忘れ物は「抜けた歯」でしたが(もちろん後で回収しに来ました。枕の下に入れておくと次の朝に一ドル札になるそうです)、さすがにパンツはまだないよ。いや、御見それいたしました。ネタ的に僕の負けです。




そうそう、書いていて思い出したんですけど、その抜けた歯を回収しに来た時の話。
その子は現在四年生のM君。M君が二年生の時、彼が口をあけて「歯が抜けたよ」と見せてくれたんです。でもね、抜けてる場所が五箇所ぐらいあって「つーかどれだよ?」って突っ込みたくなりました。

そんでもって彼が言うには、「枕の下に入れて置けば寝ているうちにTooth Fairyがやってきて一ドル札と交換してくれるんだよ。この調子で歯が抜ければ僕は百ドルぐらいもらえるね。」(大意張り)

ふむふむ、ちょっと前までは歯一本と25セント硬貨が等価値だったような気がしたんですけどね。歯の妖精さんの世界でもインフレ気味らしいです。それにしても、歯一本で一ドルなら百ドルには百本ですけど。永久歯と親知らずを交換しても、ちょっと足らないんじゃないかなー。







お金の価値がイマイチ解っていないM君。こんな逸話もあります。
それは去年の秋。クラスメートTちゃんが日本の消しゴムの「マトマル君」を手に入れてプレゼントとしてクラスで配りました。みんなよく消える日本製の消しゴムの性能の良さに感心しながら使っていました。(アメリカの消しゴムは消せません、とくにあのピンクのやつ)

次の日、クラスメートのA君がマトマル君を二個もっています。一人一個ずつもらったのに、なんで二個も持っているのと訊ねると、A君曰く「M君から買い取った」そうです。学校でモノの売買は禁止なので、すぐに返すように指導しましたが、驚いたのがM君がA君に払った値段。なんとたった消しゴム一個に三ドルです。

ボッタくるほうもそうだけど、消しゴムごときに自分の歯三本分も出して買う方もどうかしてる。そのM君の三ドルの出所なんですが、歯の妖精さんではありません。なんと別の友達からお金をかりていました。もっと驚く事に、そのお金は自分の給食費から返済にあてていたし、今度は、足りない給食費を担任の先生に給食費を忘れたとウソを付いてお金を借りる始末。三年生にして、借金を借金で返済する泥沼、使い込みもしてるし。






その日に親に連絡して自己破産させておきました。

スラング

一週間ほど前、春なのに吹雪いた日がありました。その日の通勤途中にちょいと目測を誤って、水溜りに足を突っ込んで靴下までズブ濡れというドジをやらかしました。仕方が無いんでその日は裸足で授業。まぁ教室はカーペットが敷いてあるし、その日はヒーターが入っていたんで問題なかったんですけど。

僕の素足を見た三年生が一言、「先生の足の指に毛が生えてるよ。」みんなでケラケラ笑ってました。足の親指に毛が生えていることがそんなに面白いんでしょうか。まぁ、笑われついでに新しい日本語の単語を教えておきました。


「この毛はね、ルパンっていうんだよ」

2007年4月9日月曜日

心配

春休み明けの初日、一週間ぶりの子供達の反応の中にこんなのがありました。
“I missed you so much. I am so glad to see that you are BACK AGAIN.″いえね、まぁ言われて嬉しいんだけど、最後の“You are back again.”って「また帰ってきて良かった」どういう意味でしょう?どうやら春休み前の自分は生徒に心配されていたらしいです。風邪引いたりしてて辛かったのは覚えてるけどね。




かるーい登校拒否は今朝でした。

2007年4月2日月曜日

家族旅行

春休みの直前の一週間は期末試験期間です。自分の感覚だと、この時期に学校を休むのはできるだけ避けるべきなんでしょうけど、アメリカ人ってどっかしら感覚が日本人とズレてるんでしょうか。火曜日あたりからバンバン家族旅行とかに出掛けてるし。

「テストはどうするんだ?成績つかなくてもいいのか?」と言ってやりたい。
「お前達、そんな悠長なことやってると痛い目をみるぞ」と叫びたい。

テストを受けなかったら、当然その分は0点になるわけで、通知表に「F」が付くのが必然なんですが、どうしてこう、その辺が理解できないんでしょう?




水曜日の朝に家族旅行に旅立つ生徒が数名いたので、月曜日と火曜日の放課後に補習とテストをしました。あのクソ忙しい中、風邪を引きながら、期末試験を逃したら大変だろうから、と思って補習までしながらテストをしたんです。火曜日の補習の後にテストをして、「これで成績は付くから安心して遊んでおいで。」と言って生徒と別れた時、迎えに来ていた親の中に

「ウチの子供だけ早い時期にテストをするなんて聞いてないわよ!不公平だわ」と仰るお母様が一名

これには参った。事前に連絡してあったんですけどね。そんなの聞いてないと言わんばかり。挙句の果てには「こんなんで悪い成績が付くようだったら、校長に直訴します。」とのたまう始末。こっちは自分の時間と労力を割いて生徒のためにやってるんですけどね、、、、、


あっはっはっは、あんまり我が侭言ってると先生怒っちゃうぞー









ウチの学校は生徒の人種が25%ごとに分かれています。つまり、白人、黒人、ヒスパニック、そしてアジア。つまりこの四種類の人種が25%ずつで全校生徒を構成しています。




ここで問題です。感謝の無い、自分の立場をわきまえない、失礼千万で、クソ生意気な発言はどの人種のお母様からでしょう?











黒人と答えたあなた、残念。違います。あの生意気な口の利き方はGhetto(スラム)直輸入かと思いきや、肝心な事を見落としています。そもそもEbonics(黒人英語、何を言ってるのかさっぱり解からないラップの延長と思ってもらえば)なんて中西部の英語に慣れ親しんだオレの耳には全く聞き取れません。話が逸れました。見落としていた肝心な事、そう、それは春休みに10日間のカリブ海クルージングなんてブルジョワな旅行ができるだけの経済力を持った黒人家族は皆、郊外に住んでいるという事実。シカゴの街中に取り残された彼らの多くはSocio-Economic Statusは貧困ラインすれすれ、もしくはそれ以下。春休み中は学校給食がない分だけエンゲル係数が高まることでしょう。


ヒスパニックと答えたあなた、アメリカの事を知らなさ過ぎる。彼らがアメリカを出国する時、それはつまり、強制送還の時。アメリカで生まれた子供は生まれながらに市民権を持ってますが、お父さんお母さんはちょっと危ないかも、、、、ていうか、夏から居候中の、英語を全く解しない、遠い親戚の叔父さんなんて限りなく黒だと思います。そういう時はINSの目に付かないように静かにしているのが一番。アメリカ政府はメキシコとの国境に壁を作る事を本気で考えているらしいので、行きは良くても帰りは命がけの壁ジャンプなんてことも。
実際の所、経済的にはあまり豊かではない家庭が多いので、家族旅行はそんなに簡単じゃないとうのが本音でしょうか。


それじゃ、アジア系と答えたあなた。もしかして日本のお高くとまったセレブママを想像していませんか?ウチの学校でアジア系といえば専ら中華系ですが、彼らはあまり遠出をしている気配がありません。今日は学校帰りに(春休みでも出勤してました)中華街で髪を切ってきたんですが、自分の生徒と3人も会いました。きっと家族連れで夕食にでも来たんでしょう 、、、、、、、、ってせっかくの休みにホームカミングしてどうする?外に出ろ。どのみち毎日きてるでしょ?何が悲しくてチャイナタウンに帰って来るんだ。たまには自分達の生活圏から外に出てみようじゃないか!ねぇ?


と言うわけで、答えは白人。あの何でも自分の思い通りにしようとする、ならなきゃ上の人間に直接掛け合って話を通そうとする、こういう不遜な物言いは彼らのオハコです。もちろん全員じゃありませんよ。あくまでも一部ですから。





せめて一言「ありがとう」って言われたら、それだけで自分の苦労が報われて、やってよかったて思えるんです、、、、、やっぱり感謝の言葉って大切ですよね。

ネタに人種を絡めたんで、今回はちょっと収集が付かなくなるかも、って危ぶんだんですけど、なんとか綺麗に纏まりました。


















補足します
Ebonicsは決して「悪い英語」ではありあません。起源には色々な説がありますが、有力な説はアフリカの様々な部族の言葉や訛がプランテーションで生活する間に混ざって、英語のアクセント、文法、語彙に影響したものです。その為、Ebonicsは英語とは異なる別の言語として、大学によっては教科として教えるほです。
ヒスパニック系移民ですが、これは微妙です。現行の移民法がどれだけ守られているのか。また、細部を突き詰めていくと、どこまでが合法で、どこから違法なのか。移民票目当てのその場限りの特別措置もステータスを解かりにくくしています。明らかに違法な手段で入国しても「なんとかなる」方法があるのも事実ですし、その為に、正規のルートで帰化した人までもが不当な扱いを受けているのも事実です。
中華系移民ですが、彼らは行く先々で中華街を形成して、その中に留まる傾向があります。生活の全てが中華街で賄えるので、外国にいて中国のように生活ができるわけです。移住して10年たっても英語が全く解らない人なんて結構います。

期末終わりました

期末試験が終わって、採点と成績の日々が始まる今日この頃。いつもなら学校に夜まで缶詰で仕事ですが、まぁ、なんですか、春休みです。年中無休で働いていらっしゃる皆様が聞いたら「なんと贅沢な!」と怒られそうですが、これも仕事の一環ですので。ハハハ

いや、春休みだって暇じゃないんですよ。今日は学校に行って新しい校長候補の履歴書を読んできました。明日はカリキュラムの仕事で8時集合(出勤時間が普段より早いのはきっと気のせいです)水曜日は歯医者と教育委員会まで出掛けて、木曜日と金曜日は新学期の準備で提出物を揃えたり、教室を掃除したり、期末テストの採点など、、、あらいやだ、春休終了ってなかんじですね。そーいえば確定申告まだだっけ。

と言うわけで、「あんたは春休みがあるでしょ!」という責めのお言葉はナシにしてほしいものです。休みに暇になるのは生徒だけですよ。



愚痴っぽくて申し訳ないが、先週は本当に忙しかった。風邪も引いたし、でも期末試験中は休めないし。Dayquil(かぜ薬)とトリプルエスプレッソのコンボをキメて生き抜いた一週間でした。いや、Dayquilって優れモノですよね。発熱していようが、咳き込んでいようがモーマンタイ。あれを飲んどけば3時間はバッチリ。頭痛も鼻水も発熱も治まる。エスプレッソのカフェインとの相乗効果も手伝って凄いハイテンションで授業ができます。それこそ矢でも鉄砲でも持ってきやがれってな気分。Kindargartenのクラス「踊るポンポコリン」を3連チャンで踊った時は奇跡を信じました。

そんでもって、4時間過ぎたあたりでクスリが切れるのが体感できるって所もなかなかイイ。クスリが切れるともう苦しくて苦しくて。

ちなみにDayquilの兄弟分にあたるNyquil(夜用)を飲んだ日にはパッタリと眠れます。僕の場合、あれ飲むと最低5時間は目覚ましが鳴ってもなかなか起きません。







春休みに宿題は出すかって?もちろん出しません。宿題のことを考えいている余裕すらなかった。それに出したら出したで採点ががめんどいし