2008年2月24日日曜日

おにぎり

五年生はリサーチプロジェクトで日本の都市を調べます。簡単な旅行ガイドを想像してもらえばいいです。内容は地図、お勧めスポット、食べ物の三つ。写真か挿絵をいれて説明を書きます。観光スポットはネットで調べられても食べ物はなかなか難しい。シカゴのような都会に住んでいても日本食なんて食べたことのない生徒だってたくさんいます。

いくらネットで検索しても実際に食べたほうが良いという事で今学期は少しずつ色々な日本食を食べさせています。最初が煎餅。その後ヨウカン。鶏のから揚げは大好評。そしてこの前がおにぎりでした。

梅干、たくあん、たらこ、若菜ふりかけとワサビふりかけを用意。この学年は昔からスルメが好きだったりと変わり者が多いので、結構いけるんじゃないかと思ってましたが、やっぱりたらこは辛すぎるらしく敬遠してました。意外と好評だったのがワサビふりかけ。たらこの唐辛子はダメでもワサビは平気な子供がいました。

しかし一番人気は海苔。魚臭いと言って食べない子が二人居ましたが、残りの生徒は全員気に入ったようです。「ならば、秘蔵の味付け海苔を食べさせてしんぜよう!」と言って出した照り焼き味の海苔は奪い合いになりました。↑子供相手は演出も大切なんです




日本語クラスがワイワイガヤガヤおにぎりを作っている最中に、スペイン語クラスの生徒が「どうして日本語クラスばっかり楽しいことをやってるんだ」とブツクサいいながらドアの横を通ったので、あまったおにぎりを一つあげました。

たらこ入りワサビふりかけのコーティングのおにぎりを食べたその子は「がふっ!」と噴き出した後、咽び泣きながら水を飲みに走って行きました。それ以来、スペイン語クラスの生徒が日本語クラスを羨む事はありません。

2008年2月18日月曜日

日本語の難易度

二年生にカタカナとひらがなのカードでゲームをしている時にKちゃんが一言「どうして日本語にはこんなにたくさんの文字があるの?」うーん、ごもっとも。更に漢字を数えだしたらどうなることやら。

僕の勤める学校では五つの外国語を教えています。フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語、そして日本語です。二年前にロシア語から中国語に変わりました。同僚の先生や親は日本語は難しい言葉だという見解を持っています。もちろん英語のアルファベットがそのまま使える(多少の違いはありますが)スペイン語、フランス語、イタリア語に比べれば日本語は全く違った文字ですし、数だって多い。「あ」から「ん」までの基本の46字に加えて濁音や半濁音。更に音が混ざる拗音まで数えたらきりがない。更にカタカナまで含めれば単純計算で文字数は二倍になるし。


今までは親や同僚に「日本語は難しいでしょう?」と訊ねられる度に
「いえいえ、日本語はPhonicsみたいなものだから、英語でPhonicsができれば日本語でも応用が利きますよ。」と話していたんです。仮名を使用している限りはその通りだし、日本語の母音は英語の母音の発音のように複雑じゃない。


ところがどっこい、日本語教師会の研修である研究結果が紹介されました。以下にリンクを貼り付けておきますね。(英語のサイトです)
http://www.nvtc.gov/lotw/months/november/learningExpectations.html


一言で要約してしまえば、「やっぱり日本語は難しい」

もう少し詳しく書きます。一番下の表が大切です。この表は英語が母国語の生徒が外国語を学ぶ際、レベル3の言語能力に達するのに必要な授業時間を言語別に整理したものです。つまり、授業時間が長ければ長いほどその言語は学ぶのが難しいということです。

フランス語、スペイン語、イタリア語は22-23週間、授業時間に換算して575-600時間でレベル3の言語能力に達します。日本語と中国語は88週間、授業時間に換算して2200時間かけてやっとレベル3に達します。とりあえず最低でも3倍以上ですね。やはり英語を母国語とする人にとっては日本語は非常に難しいということでしょう。

難しいからといてって小学校レベルの授業で必死になって教えても限界があるんじゃないかって思えるんです。教えても意味がないわけじゃありません。文法や語彙をガシガシ教えて、少しでも他の言語とのギャップを埋めようとするより他に方法があるんじゃないかと。そもそも「最低三倍」の壁は埋めようとして埋められるものじゃないですよね。それに、ハードルが高くなればなるほど、生徒の負担が増すという事も覚えておかなければいけません。







というわけで、今週の授業ではうどんとおにぎりをを作って食べる事にします。やっぱり楽しいのが一番。

2008年2月13日水曜日

日本語は何のための言葉?

今年も文化授業の一環として浴衣の着付けを始めました。対象は6年生と7年生。去年手伝って頂いた松田さんに今年も来て頂きました。こういう方が一人居てくださるだけで本当に助かります。松田さんのほかには六年生の担任のE先生と七年生のB先生にも同席してもらいました。この二人の先生は手伝いではなくて、自分が男性教員であるために、年頃の女生徒に帯を巻きつける時なんかは必ず一緒に居てもらう必要があります。何かの拍子で体がぶつかったりした時に証言をしてくれる女性の先生が居ないと大変ですから。訴訟社会ですからね、アメリカは。


今年は浴衣のバリエーションもチョット増え、髪飾りとして櫛も買ってきました。なんだかんだいったって、やっぱり女の子ですよ。浴衣や櫛を物色したり、肌の色と浴衣の色を比べたり、髪飾りを付け替えたり、人種は違えどやっぱり女の子かなぁ。皆で揃って記念写真を撮ったら「ちょっと他のクラスに行って見せてきていい?」といきかれ「ああ、いいよいいよ。いっといでー。」この時点ですでに浴衣着た子達にお願いされたら「何でもおっけー」状態です。 ←いいのかそれで!?






六年生には日本のアニメやら漫画の好きな女の子が二人います。浴衣の着付けを教え始めた先週当たりからその片方のTちゃんと色々な会話をしました。Tちゃんはアニメや漫画のほかに日本のゲームなんかもやってます。そのTちゃんが浴衣の帯を見ながら、
「これってFFのユウナの着物と同じヤツ?」と僕に聞いてきました。日本のRPGとかこっちで英語版になってるし、知っていてもおかしくないな。「そうだね、同じでいいと思うよ」と答えたら
「私達はコスプレしてるの?」と一言。Ko Su Pu Reって英語発音で言われて一瞬なんの事だ理解不可能でした。その質問には全力で否定しておきました。これは断じて文化の授業であってコスプレではありません。
そして今日の質問は一段と確信に迫るものでした。
「じゃ、メイドさんなら?」と一言。ちょっと考えてから「うん、メイドならコスプレだな、間違いなく。」





秋葉原のメイドさんのことを知っているアメリカ人が日本語を受講する。時代が移れば変わるんですね。ウチの学校に日本語が新設されたのは1990年あたり。ここにきてビジネスのための日本語は大きく変わりつつあります。アニメと漫画が好きでたまらない、どうせなら英語の字幕や吹き替えではなくて日本語で楽しみたい、そんなコアな海外オタクたちの言葉になりつつあるのではないでしょうか。春休みに日本に行く時には原宿をやめてアキバにするのも検討してもいいかな?


これってもしかしたら重大な発見かもしれませんよ。同席してもらったE先生とB先生は生徒が浴衣を着るのを見て「素晴らしい日本文化の体験授業だったわ。」とコメントしてくれました。まぁ、これが普通のコメントなんですが、この文化授業すら一部の生徒にとってはKoSuPuRe体験学習ですよ。なんじゃこの温度差は!文化体験学習とコスプレ体験学習じゃありがたみが全然違うよって最初は思ったんですよ。でもね、もしかしたら、これは時代が変わりつつあるサインかもしれないじゃないですか。日本語はビジネス言語ではなくてアニオタの言語として世界に飛躍するのかもしれません。



ちなみに、ごく一部の日本の文化に大変興味のあるTちゃんは絵がとても上手です。授業中にノートに落書きをしていたのを没収したら「ダメだよ、ちゃんとノート取らなきゃ、、、、って うわぁ、すげぇ、うまいじゃん!これ自分で描いたの!?」みたいな事がありました。どんな漫画が好きなのってきいたら、たくさん列挙してくれました。彼女のリストの中に「X」があったのは見逃せません。そう、彼女はアメリカ版腐女子の卵、、、、(誤字ではありませんよ)

2008年2月12日火曜日

冷蔵庫の中には

風邪を引きました。咳と鼻水です。ぜんぜん眠れないので月曜日は病欠でした。こんな時は栄養のあるものを食べねばと考えつつ冷蔵庫を開けると日本酒とビールのみ。アルコール消毒デスカ?どこで道を誤ったのだろう。

気を取り直して、とりあえず睡眠を取る事から始めることに。咳と鼻水に悩まされて睡眠不足なので、ちっとも回復しない。こういうときはNyQuil(ナイクウィル)です。こっちの風邪薬で効果抜群。飲んで20分もすると鼻水と咳が止まり、30分も経つとものすごく眠くなる。漸くグッスリ眠ったと思ったら喉の渇きで5時間後に目覚めます。唇カサカサ、喉カラカラ。ちょっと効きすぎかなと思いつつ冷蔵庫へ、、、、、

日本酒とビールしかなかったんだっけ

2008年2月5日火曜日

日記の補足 と 斜め45°

最近の日記の補足を少々


「フリーダイアル」ですが、僕の両親は離婚してません。離婚と間違われてもおかしくないような状況ですけどね。片方はテネシー。もう片方は東京で神学大学の一年生。冷静に見れば、離婚なんぞしている暇も金銭的な余裕もないんじゃないかな?


「ウソ」で自白してしまたったS君。今日も宿題を忘れましたが、そっぽを向きながら「シュクダイヲ イエニ ワスレマシタ」ってメカっぽい声ではなしました。だからさ、そんな後ろめたさ100%で話されてもねぇ。僕の目を見ようとしない時点で嘘をついてますって白状してるようなものだし。まぁ、これはこれで面白いから、しばらく放っておいて後から教える事にします。


「それがダメなら」の一年生。猿軍団は卒業して本格的に動物園の様子を呈してきました。猿じゃなきゃ良いてことで、猫のほかに犬、熊、ライオン、ひよこ、ゾウ、オットセイ、イルカ、カンガルー、、、、、、、

今思えば猫はよかった。返事の代わりに「にゃぁ」なんて可愛いもんだ。カンガルーやイルカも椅子に座らせてしまえばどうってことはない。だいたいカンガルーもイルカも鳴き声を知らないからね。オットセイとかライオンとかもうサイアク。「野生の動物は暴れるから教室で飼えないよ」といったのが間違いだった。暴れない代わりに芸をし始めました。火の輪潜り(机の下)とか鼻でボール(消しゴム)を回したりとか、、、、、、、、、、いやぁぁぁぁぁっ!

この一年生は本当に特殊だとつくづく思う。こちらのメッセージが必ず間違って解釈される。「猿がダメ」なら「じゃぁ猫」って解釈だし。「野生動物は暴れるからダメ」っていったら「サーカスばりに調教された曲芸を披露する動物」になるし。こんな子供達でも一歩一歩進歩しているとは思うんだけど、その進歩が斜め四十五度的な感じがするんですよね。素直にまっすぐ一歩前に前進してほしいなぁ。

幼稚園の先生をしていた母へ
「母さん、あなたは本当に立派です。こんな子供達を毎日三十人も相手にしてたんだから。マザーテレサだってサジをなげだすんじゃないかな。」

Japan Trip

日本へ生徒を連れて行く日取りが決まりました

三月十五日 シカゴ出発

三月十六日 東京成田着
品川プリンスホテルへ

三月十七日 
早朝 築地を見学した後朝食
浅草を見学(多分昼食は浅草で)
原宿を見学 北斎展を見学したあと、竹下通りや表参道をぶらぶら
新宿で夕食 疲れているようならそのままホテルへ帰る

三月十八日 
新幹線で京都へ
新都ホテルにチェックインした後は錦市場と大丸で買い物

三月十九日 
二条城を見学
染め物の体験学習
昼食後清水寺へ

三月二十日 
新幹線で広島へ
原爆資料館と平和記念公園を見学して京都へ帰る
夕食はお好み焼きか焼き肉を皆で食べたいなぁ

三月二十一日 関空からシカゴへ帰国


もう一日いても良いかなと思ったんですが、シカゴに帰るのが金曜日の夜なんですよ。月曜日から仕事のある身としては、土、日と余裕を持ちたいのでこういうスケジュールになりました。準備も進んでいます。楽しみだなぁ。

一番心配なのが東京のJR。特に山手線。新宿から品川に行く時間帯が夜の7時ぐらいになりそうなんですよ。まぁ少人数だから気を付けていれば平気でしょう。

2008年2月3日日曜日

ER

ER 救急医療室に行ってきました


歯医者に行って、矯正の経過やら、ワイヤーの締め直しをしたんです。そしたら、ワイヤーの留め金の一部がなくなっていました。そういえば朝飯を食べてるときに何か硬いものを噛んだ記憶が。

矯正士の人が「多分大丈夫だろうけど、念のためにレントゲンを取っておきましょう」ということでその足でERへ同伴されました。とっても親切な矯正士さんでありがたいんですが、あんまり熱心にレントゲンを勧めるもので、だんだん不安に。

ERでまつこと1時間。そういえばドラマのERってシカゴが舞台だったっけ。最初に気づくのは警察官の多さ。頻繁に出入りしています。でも、ドラマみたいにストレッチャーに乗せられた血みどろの負傷者は担ぎこまれてきません。その代わり僕の横には肩関節を外した人と鎮痛剤中毒っぽいおばちゃん。

待つこと2時間、寒いのでトイレに行こうとしたらトイレの前で「誰がトイレに行っていいっていったの!」とえらい剣幕で医者から詰め寄られました。二時間放置されてたうえに、トイレは許可制だとおっしゃってます。ウチの学校じゃ授業中にトイレに行くのは教師の許可が要りますけど、ここは病院ですよ?どうやら薬物中毒者が検尿を誤魔化したり、細工したりするのと間違えられたみたいですね。

ついに三時間。持ってきた本も後一章で終りそうです。漸くレントゲン室にてレントゲンを撮り、「小腸にありますね。明日にでも出てきますよー。」といわれ、それでお終い。無事でなにより。僕が退院するのと同時に、鎮痛剤中毒のおばちゃんも退院してました。でも、見た感じは「放り出す」感じだったなー。多分常連さんなんでしょう。