2008年2月13日水曜日

日本語は何のための言葉?

今年も文化授業の一環として浴衣の着付けを始めました。対象は6年生と7年生。去年手伝って頂いた松田さんに今年も来て頂きました。こういう方が一人居てくださるだけで本当に助かります。松田さんのほかには六年生の担任のE先生と七年生のB先生にも同席してもらいました。この二人の先生は手伝いではなくて、自分が男性教員であるために、年頃の女生徒に帯を巻きつける時なんかは必ず一緒に居てもらう必要があります。何かの拍子で体がぶつかったりした時に証言をしてくれる女性の先生が居ないと大変ですから。訴訟社会ですからね、アメリカは。


今年は浴衣のバリエーションもチョット増え、髪飾りとして櫛も買ってきました。なんだかんだいったって、やっぱり女の子ですよ。浴衣や櫛を物色したり、肌の色と浴衣の色を比べたり、髪飾りを付け替えたり、人種は違えどやっぱり女の子かなぁ。皆で揃って記念写真を撮ったら「ちょっと他のクラスに行って見せてきていい?」といきかれ「ああ、いいよいいよ。いっといでー。」この時点ですでに浴衣着た子達にお願いされたら「何でもおっけー」状態です。 ←いいのかそれで!?






六年生には日本のアニメやら漫画の好きな女の子が二人います。浴衣の着付けを教え始めた先週当たりからその片方のTちゃんと色々な会話をしました。Tちゃんはアニメや漫画のほかに日本のゲームなんかもやってます。そのTちゃんが浴衣の帯を見ながら、
「これってFFのユウナの着物と同じヤツ?」と僕に聞いてきました。日本のRPGとかこっちで英語版になってるし、知っていてもおかしくないな。「そうだね、同じでいいと思うよ」と答えたら
「私達はコスプレしてるの?」と一言。Ko Su Pu Reって英語発音で言われて一瞬なんの事だ理解不可能でした。その質問には全力で否定しておきました。これは断じて文化の授業であってコスプレではありません。
そして今日の質問は一段と確信に迫るものでした。
「じゃ、メイドさんなら?」と一言。ちょっと考えてから「うん、メイドならコスプレだな、間違いなく。」





秋葉原のメイドさんのことを知っているアメリカ人が日本語を受講する。時代が移れば変わるんですね。ウチの学校に日本語が新設されたのは1990年あたり。ここにきてビジネスのための日本語は大きく変わりつつあります。アニメと漫画が好きでたまらない、どうせなら英語の字幕や吹き替えではなくて日本語で楽しみたい、そんなコアな海外オタクたちの言葉になりつつあるのではないでしょうか。春休みに日本に行く時には原宿をやめてアキバにするのも検討してもいいかな?


これってもしかしたら重大な発見かもしれませんよ。同席してもらったE先生とB先生は生徒が浴衣を着るのを見て「素晴らしい日本文化の体験授業だったわ。」とコメントしてくれました。まぁ、これが普通のコメントなんですが、この文化授業すら一部の生徒にとってはKoSuPuRe体験学習ですよ。なんじゃこの温度差は!文化体験学習とコスプレ体験学習じゃありがたみが全然違うよって最初は思ったんですよ。でもね、もしかしたら、これは時代が変わりつつあるサインかもしれないじゃないですか。日本語はビジネス言語ではなくてアニオタの言語として世界に飛躍するのかもしれません。



ちなみに、ごく一部の日本の文化に大変興味のあるTちゃんは絵がとても上手です。授業中にノートに落書きをしていたのを没収したら「ダメだよ、ちゃんとノート取らなきゃ、、、、って うわぁ、すげぇ、うまいじゃん!これ自分で描いたの!?」みたいな事がありました。どんな漫画が好きなのってきいたら、たくさん列挙してくれました。彼女のリストの中に「X」があったのは見逃せません。そう、彼女はアメリカ版腐女子の卵、、、、(誤字ではありませんよ)

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