2007年3月22日木曜日

似て非なるモノ

一年生のD君とG君が一言
「日本語ってエジプトの言葉にそっくりだね。」
何を言ってるんだか、と思いつつ彼らが日本語を書き込んでいるカードを見ると、、、象形文字っぽい日本語が踊ってました。

2007年3月21日水曜日

反則

その場の状況において、授業内容を変更することが時々あります。今回は、子供たちから、「ねえねえ、あれまたやって」とせがまれて、まぁいいかと思いつつ、彼らがやりたがっているゲームをしました。今回はその時の話です。

Kindergartenは動物の名前を勉強しています。羊、山羊、鼠、馬、などなど、合計15種類の動物です。今日のクラスで、絵カードでゲームをしながら勉強していた時に、「先生、ヘビになって私たちを追いかけて」と頼まれました。教室で「追いかけっこ」なんかやって、その瞬間を校長に踏み込まれた日には目も当てられない事態になるのは明白な訳で、最初は「いや、無理」っと無碍もなく断ろうかと思ったのですが、これも、ひょっとしたら、やりようによっては遊びながら勉強できるかもと思い直して、やってみることにしました。


まず、ルール設定
机を並び替えて牧場の囲い、もしくは小屋に見立てます。
水飲み場と餌場を設定、教室の端にプラスチックの果物を並べて、隣に空のバケツを置きます。
生徒一人一人に動物を割り当てます。C君は羊、Tちゃんは猫、などなど。
牧場と餌場/水場の間に蛇のすんでいる穴を設置。もちろん蛇は先生。動物は名前を日本語で呼ばれたら牧場から出て、蛇を躱しながら牧場と餌と水の所を往復します。蛇に捕まらずに無事に帰れるかどうかがポイントになります。



ゲーム開始
羊のVちゃん。最初は羊の役になりきって「めぇーめぇー」言っても、蛇の穴までくると「きゃーきゃー」言いながら逃げ回ってました。他の子供達も皆同じ、全員ノリノリで遊んでました。ところが、犬のJ君。自分の順番になったとたんに、"I don't care about sanake. I can kill it." 「蛇なんか怖くないよ。だって殺せるもん。」と一言いうが早く、蛇に頭突きをかました。(注:蛇は俺)その後蛇の背中をカサカサ引っ掻いて、二足歩行で食べ物とバケツを強奪して帰還していきました。




犬のはずなのに、なぜかマングーズ。

2007年3月16日金曜日

見えない事実

小さい子供たちは人懐っこいんで、挨拶のついでによく抱きついてきます。効果音を付けるなら「はきゅっ」って感じでしょうか。とっても可愛い。



日本の幼稚園、保育園では手洗いをキッチリ指導します。幼稚園で教えていた母曰く「手荒いは基本」とのこと。そういえば、大学からの腐れ縁の友達にも手洗いにすごく拘る人が’います。所変わってアメリカではその辺りがイマイチあまくて、適当になりがちになっているのが現状。僕の学校も例外ではなく、結構適当です。
先日、小さい子供たちのトイレ休憩にバッタリ出くわしまして、そこで現実を目の当たりにしました。トイレ休憩=遊びの時間 となりかねない連中ですので、大人の目がなくなった瞬間からやりたい放題。トイレの個室のドアはあってないに等しく、ドアを閉めたままの状態で、ドアの下の隙間から這いつくばって出入りしてました。



その手ですよ、僕に触っているのは。「せんせいこんにちは」ってにっこり笑いながら、抱きつくんです。



そういえば、指をしゃぶる子が一クラスに一人か二人います。そう、彼らもしゃぶりたてホヤホヤの指で、チョンチョンって僕の背中を叩くんですよ。「ねえねえ、せんせい」って、特に用もないのに。



スパゲティが昼食に出た日はスパゲティソースをつけた子がクラスにやってきます。「おまえそれ狙ってるだろ」って言いたいくらい見事なのはL君。でね、油断してると抱きつくついでに拭きにくるんですよ、ぼくの服で。L君の場合、なめ回した指といい、スパゲティソースといい、かなり確信犯っぽいです。








「はきゅっ」が「ぐちょり」に変わりました。

2007年3月12日月曜日

まわる子供

皆で床に座って絵カードで勉強していた時、隣に座っていたMちゃんが地面に頭をつけました。「はっ?なに?」と思ったとたん、コロンとでんぐり返し。この場合「何してるの?」ときいても「でんぐり返し」と大真面目に返答されるのがオチなので、とりあえず、「なんで回るの?」ときくと「お父さんが わたし上手に回れるねって言ったの。」と答えました。





Mちゃんのお父さん、ご存知ですか?あなたの娘さんは今日なんの前触れもなく、突然でんぐり返しをクラスの目の前で披露してくれました。

ああ、もちろん綺麗にまわれてましたよ。

2007年3月9日金曜日

ISAT

Ilinois Standards Achievement Test(略してISAT)が来週から始まります。学校の評価に直接関わってくるので非常に重要なテストです。テストが近づくにつれて高まるプレッシャーを感じながら仕事をするというのは決して気持ちの良いものではないし、Don't mess with me オーラをビリビリ放っている校長は正に触らぬ神になんとやら。更に、三年前からはISATのスコアが高校入試にも使われるということもあって、教師だけでなく生徒も親も皆で張りつめたような雰囲気の中で生活してます。どのように高校入試に影響するかは次回にでも書くとして、今回はISATについてちょいと書きます。

ISAT二週間にわたって、毎朝一時間半ほどかけて行われます。教科は英語の読み書き、数学、そして科学。このスコアが学校の良し悪しの評価に直接かかわってくるので、学校側としては気が抜けません。幸いなことに、僕の勤めている学校は去年シカゴ市内で9位にランクイン。上位の学校は全てGifted School(テストをして、成績の優良な子供のみを受け入れる)だったので、非常によくやってるんじゃないんでしょうか。まぁ、日本語は直接関係無いんで、そんなに誇ることじゃないんですけどね。

それでもって、このISATの成績が悪いとどうなるか。これが厳しいんです。最悪の場合、学校が潰れます。ウソみないな話ですけど、公立学校がテストの結果次第で閉校になります。そして、その後にはCharter Schoolというシカゴ公立学校とは全く別の公立学校が開校して生徒と施設を引き継ぎます。じゃぁ、このChater Schoolは良いのかと言うと、シカゴ市に限っては口が裂けても良いとはいえません。もちろん僕の意見ですけど。

そもそも、Charter SchoolはTeacher Union(シカゴ公立学校で働く教師のための労働組合)から漏れます。つまり、どんな理不尽な仕事環境でも甘んじて受けねばならないし、校長の一存で何の理由も無く解雇されます。さらに、教員免許の無い人間でも校長が雇ってしまえば、教えることができます。ひどい所では、夜の九時まで生徒からの質問に答えるために専用の携帯電話の所持を義務付けられる場合だってあります。




それもこれも、根本をたどれば何処かの大統領が考えナシに始めたNo Child Left Behindという法律が悪いんですけど。ええ、ここ数年で起きている大概の社会悪の元凶はジョージです。戦争といい、教育改革といい、京都議定書に調印しないことといい、医療保険が払えない国民が一割以上いることといい、もうちょっと考えて慎重にやってもらえないんでしょうか?「実験」と称して新しい学校を創られても、生徒にとってはその「実験」が唯一の学校体験になるのですから。それにテストスコアのために職を追われた先生だってたまったもんじゃないでしょうに。

以上、なんだか最後のほうで話がそれましたが僕の主観に基づいて書きました。

2007年3月5日月曜日

電話をかける子

Kindergartenの女の子の話

文化の授業の一環で、雛人形をみせて、その絵を描かせました。子供達が絵を描いている間に自分は机で採点をしていると、一人の女の子が色鉛筆を耳に当てながら、僕に話しかけ始めました。以下はその五歳の生徒との会話

“Ring ring, hello Sensei.Can you pick up the phone?”
「リンリン、もしもし先生、電話を取ってくださいな。」と自分の席から僕に話しかけ始めた
なんで電話をかける振りなんか?と思いつつ、こちらも
“Hello, who is calling? How can I help you?”
「もしもし、どちら様ですか?ご用件は?」と持っていた赤ペンを耳に当てつつ応答、
すると、あちらは
“I just finished drawing. Can you come and take a look at my picture?"
「絵を描き終えたんだけど、見てくださる?」とおっしゃる
そこでぼくは
“I am sorry, I cannot leave my work now. Can you bring it to me?"
「すみません、いまちょっと手が離せないんです。こちらに持ってきてもらえます?」と提案、
するとあちらも
“OK, I will see you soon.”
「いいですよ、じゃぁ すぐに参ります。」と言って電話(色鉛筆)をおいて絵を持って僕の机にやってきました。

本人はいたって真剣な表情で、
“Thank you for taking your time. Here is my picture.”
「どうもお時間をとらせます。こちらが絵になります。」とねぎらいつつも絵を見せてくれました。
可愛らしいお雛様の絵(なぜかピンクとオレンジ)が描けていたので、
“This is well done. Perhaps, would you like to draw another picuture with the actual colors?”
「とてもよくできてます。ところで、よろしかったら本来の色でもう一枚描いてみませんか?」ときいてみると、
“Sure. I will call you when I’am done.”
「もちろん。できたら電話しますね。」と言って自分の席に帰っていった。




どこから「授業」で、どこまで「ごっこ遊び」なのか、どうもハッキリしない今日この頃

2007年3月4日日曜日

平和テラスへ

Field Tripに行ってきました。連れて行った学年はKindergarten、一年生、二年生。行き先は日系老人ホームの平和テラス。入居者の約半数が日本語が解かるそうです。小さい子供達を選んだ理由は、「何をしても可愛い」 これが最大の理由。まっすぐ並べなくたって、音程を外して歌ったて、問題ナシ!とにかくそこに居るだけで場が和む。やっぱり子供って凄いね。子供達が一番好きな歌「鬼のパンツ」は世代を超えて、お爺ちゃんお婆ちゃんにも受けてました。頑張って振り付けしたかいがあったてもんです。「雪」は歌詞をしっている方達が一緒に歌ってくれました。


歌の後は今週の授業で作成した雛人形とお雛様の絵をプレゼントしました。子供達が自分の作った物を自分で入居者の方々に手渡しします。随分と恥ずかしがっている子供もいたけれど、これもなんとか成功。その後は子供達と入居者の交流と思ったんだけど、これがなかなか簡単じゃない。恥ずかしがって話ができない子供が続出。一緒に来てもらった付き添いの親たちに間に入ってもらって何とか「こんにちは」っていえる程度。ふと見回せば部屋の隅で窓ガラスに息を吹きかけて遊んでいる男の子が4人、部屋の反対にはグループで固まっている女の子数名。でも中には二年生のC君とLちゃんのように、いつの間にやらおじいちゃん達と一緒に歌を歌っている社交的な子供達もいたし、次回からはもっと具体的な指示をだしておく必要がありそう。


課題は残るものの、入居者の方々には大変喜んでもらえたし、僕らとしても日頃練習している日本語の歌を発表するいい機会にもなったし、俗に言うWin-Win Situtaionってやつですよ。面白かったのは、行きのバスでは散々はしゃいでいた子供達が、帰りのバスでは「クテッ」っと静かに寝てたこと。三分の一は寝てたし、残りも静かに座ってました。この年頃子供達が静かに座っているなんて、普段はありえません。どうやらエネルギーを使い果たしたみたい。お疲れ様でした。

2007年3月1日木曜日

浴衣

今日は松田さんに手伝ってもらいながら、6,7年生の女の子達に浴衣を着せました。なにせ着付けなんてやったことが無いので、いくら着せる浴衣があっても、着付けのできる人に手伝って貰わなければ何も始まりません。去年の夏に日本の呉服屋で浴衣をお世話していただいた瀬川さんにも着付けの仕方を見せてもらって、ビデオに収めてあったけど、それだけじゃやっぱりだめでした。松田さん、この場を借りてもう一度お礼を言わせてください。ありがとうございました。


子供達の反応も良くて、みんな恥ずかしがりつつも、実は結構気に入ってた様子。「廊下をちょっと歩いてきたら?」といったら、「Nahhh、It's OK.」とか最初は言ってたくせに、教室の中でちょっと格好つけながら歩いたりとかしてました。ちなみにクラスの男の子達は横目でチラチラ様子を伺っているけど、「一緒に写真とる?」ってきいても恥ずかしがってちっとも来ません。残念なことに、子供の写真はこの場に掲載することはできません。とっても可愛く写っているのですが、肖像権やら色々と問題になるので、無理です。


浴衣の丈を合わせながらながら、去年に瀬川さん(呉服屋で販売員をなさっている方)からお聞きした話を思い出しました。僕らの住んでいる社会では、服に合わせて体型を調節するのが当たり前のようになっています。とくに中高生の女の子なんて、常に新しい服が欲しいし、その服だってできる限りサイズの小さい物を着たい子が少なからず居るはずです。体の成長に合わせながら、毎年丈を調節しながら着るなんて、ちょっと理解しにくい文化なのかもしれません。


明日は低学年のField Tripです。早く寝て、体力の回復を図ります。