2007年3月9日金曜日

ISAT

Ilinois Standards Achievement Test(略してISAT)が来週から始まります。学校の評価に直接関わってくるので非常に重要なテストです。テストが近づくにつれて高まるプレッシャーを感じながら仕事をするというのは決して気持ちの良いものではないし、Don't mess with me オーラをビリビリ放っている校長は正に触らぬ神になんとやら。更に、三年前からはISATのスコアが高校入試にも使われるということもあって、教師だけでなく生徒も親も皆で張りつめたような雰囲気の中で生活してます。どのように高校入試に影響するかは次回にでも書くとして、今回はISATについてちょいと書きます。

ISAT二週間にわたって、毎朝一時間半ほどかけて行われます。教科は英語の読み書き、数学、そして科学。このスコアが学校の良し悪しの評価に直接かかわってくるので、学校側としては気が抜けません。幸いなことに、僕の勤めている学校は去年シカゴ市内で9位にランクイン。上位の学校は全てGifted School(テストをして、成績の優良な子供のみを受け入れる)だったので、非常によくやってるんじゃないんでしょうか。まぁ、日本語は直接関係無いんで、そんなに誇ることじゃないんですけどね。

それでもって、このISATの成績が悪いとどうなるか。これが厳しいんです。最悪の場合、学校が潰れます。ウソみないな話ですけど、公立学校がテストの結果次第で閉校になります。そして、その後にはCharter Schoolというシカゴ公立学校とは全く別の公立学校が開校して生徒と施設を引き継ぎます。じゃぁ、このChater Schoolは良いのかと言うと、シカゴ市に限っては口が裂けても良いとはいえません。もちろん僕の意見ですけど。

そもそも、Charter SchoolはTeacher Union(シカゴ公立学校で働く教師のための労働組合)から漏れます。つまり、どんな理不尽な仕事環境でも甘んじて受けねばならないし、校長の一存で何の理由も無く解雇されます。さらに、教員免許の無い人間でも校長が雇ってしまえば、教えることができます。ひどい所では、夜の九時まで生徒からの質問に答えるために専用の携帯電話の所持を義務付けられる場合だってあります。




それもこれも、根本をたどれば何処かの大統領が考えナシに始めたNo Child Left Behindという法律が悪いんですけど。ええ、ここ数年で起きている大概の社会悪の元凶はジョージです。戦争といい、教育改革といい、京都議定書に調印しないことといい、医療保険が払えない国民が一割以上いることといい、もうちょっと考えて慎重にやってもらえないんでしょうか?「実験」と称して新しい学校を創られても、生徒にとってはその「実験」が唯一の学校体験になるのですから。それにテストスコアのために職を追われた先生だってたまったもんじゃないでしょうに。

以上、なんだか最後のほうで話がそれましたが僕の主観に基づいて書きました。

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