2007年9月30日日曜日

野口秀雄

金曜日の授業でR君が日本の千円札を持ってきました。なんでもお父さんが職場の友人からもらったそうです。早速クラスのみんでShow and Tell。大きさも色も違うし、何よりも日本のお札には大統領ないし総理大臣の顔は印刷されていません。透かし絵をみたり、隅に極小サイズで印刷されている字を読んだりしているうちにD君がポツリ。

Is this guy an English man?
この人(野口秀世を指しながら)イギリス人?

えっ?ちがうよ。日本人だよ。どうしてそう思うのときいてみると

Because he has a fluffy hair and mustache.
髪の毛がテンパでちょび髭があるから

常連

宿題をやってこない常連さんがいます。七年生のS君とSちゃん。宿題をやってこないんで成績は下がる一方。一昨年当たりからDとかFがつきはじめました。それでも全然やってきません。仕方がないのでRecess(休み時間)は僕の教室で忘れた宿題をすることに。友達と遊ばずに僕の教室でひたすら宿題。普通だったら自分達だけ休み時間がなくなるのに耐え切れずに一晩で溜まっている宿題を片付けてくるんですが、この二人は筋金入りの怠け者。一週間毎日かかさずに休み時間に僕の教室でチマチマと宿題をやっています。そんなに休み時間を返上してまで僕のクラスで宿題をしたい理由がさっぱりわかりません。しかも、忘れていた宿題を一つ終らせても、その日の宿題をやってこないので、結局また次の日も休み時間を返上することに。いい加減僕のほうも疲れてきました。

そもそも、彼らの休み時間は僕の昼休みの時間帯と重なっています。この時間は昼食を食べて、午後の授業の準備をするとても貴重な時間。特に午後にはおマセでチョット早めの反抗期の二年生、シカゴ猿軍団の一年生、泣き叫んでばかりで聞分けのない幼稚園生、こういった強烈な面子のオンパレード。エスプレッソの一杯でも引っ掛けてカフェインでちょっとばかり逝っとく必要があります。しかしS君とSちゃんが毎日やってくるために、気が休まらないし、コーヒーを煎れに行く時間もないし。こんな持久戦になるとは、、、、、、、まったくの誤算です。
"You have been coming to my room every single recess,instead of playing with your classmates. You must love me so much."
「毎日毎日、休み時間の度に友達と遊ぶ代わりに僕の部屋で宿題をしているけど、それって僕のことが好きで好きでしょうがないんでしょう?」って昨日言ってみました。これだけ言われたら恥ずかしくて週末の内に残りの宿題を全部終らせてくるでしょう、、、、、たぶん。

AA

スターバックスでコーヒーを飲みながら仕事をしていると電話で怒鳴っている人がいました。良く見るとなかなか美人。小奇麗な格好をしているけど、何をもめているんでしょう?美男美女ってもてるかわりに、そっち方面の苦労も多いんだろうなーなんて考えていると、、、、

"OKOK,I will go to AA! I just cannot belive you are keep insisting everyday!"
「もういいかげんにしてよ。AAに行くっていってるでしょ。毎日毎日いい加減にしてよ!」

すごい剣幕でまくしたててます。まぁ電話の相手が誰なのかわかりませんが、たぶん彼女のことを思って言ってるんでしょう。それにしてもAA(Alchohole Anonymous)ってことはあの人はアルコール依存症ということになります。そーいえばウチの近所のこのスターバックスって飲み屋が集まってる通りにあるんですよね。

2007年9月28日金曜日

泣いてもダメ

幼い子供達は授業の大半がBehaviorManagementです。この年齢だと先生の話(指示)を聞けるようになることも大事。ここでBehavior Managementの写真が使いながら授業を進めていきます。(五月十八日を参照してください)


新学期が始まって4週間、Kindergartenの子供達もそろそろクラスにも慣れてきて、歌ったり絵本を読んだりするほかに、実際に机に向かって作業をしてみました。課題はチューリップの歌で覚えた三色のチューリップの絵に色を塗ること。赤、白、黄色、の三色ですが、白は紙の色が元々白いためそのまま、実際に色を塗る場所は赤と黄色の花の部分と茎と葉っぱの緑。


KindergartenのP君は挫折に弱いというか、打たれ弱いというか、まぁたんに泣き虫といってしまえばそれで終わりなんですが、とにかくすぐに泣く。しかも泣いて自分の要求を通そうとする少々困り者。今日の授業で早速僕の話を聞かずに勝手に色をぬりはじめました。もちろん、ぼくはP君に自分の写真を外すようにいいます。そうするとP君は写真を外した後、うぎゃーと泣き始め、しばらく泣き続けた後"I am sorry, OK!"と泣き叫びます。謝っているんだから、写真を元に戻せといわんばかり。これではダメ。「話を聞いて、指示の通りに作業をする」ことが写真をもどす条件なので、泣いて喚いて、"I'm sorry."と言われた所でだめです。


「そのチューリップを黄色のクレヨンで色づけしなきゃだめだよ」って言ってもP君は全く応じません。ただひたすら「写真をもどして」と言い続けます。話は平行線のまま、授業も進めなければいけないので彼にはそのまま泣き続けてもらうことにして、残りの作業を他の子供達と進めます。授業時間も終わり、結局P君の写真はそのまま外されたまま。まぁ仕方ないです。チューリップの絵を黄色で塗ればいいだけなのに、P君はひたすら泣き続けるのみ。僕も何度か説明したけれどそのたびに"Just put my picture back!"と泣き叫ぶことの繰り返し。だんだん口調が荒っぽくなっているのは気のせいでしょうか?家ではこの勢いで母親と交渉して自分の言い分を通しているんじゃないかなぁと思いつつ、しかしオカムラ先生は動じません。さぁ今日の授業はこれでおしまい。終業時間になれば生徒はクラス担任の先生に連れられて自分の教室に帰らなければなりません。


P君が只者ではないのは、ここで自分の教室に帰ることを拒否。クラスメートが担任の先生に連れられて戻り始めても断固として日本語クラスに居座り続けます。要求はもちろん自分の写真を元に戻すこと。担任のA先生が日本語クラスのなかにやってきて、P君のに「さあ帰るわよ」といって手を差し伸べたら、椅子から滑り降りて逃げ出しました。教卓の下に隠れて日本語クラスから出ることを断固拒否します。A先生が教卓の横に歩いてくるとそこから這い出して、今度は教室の隅に逃げます。A先生と追いかけっこが始まると思いきや、A先生はハイヒールを履いていました。まったく、ハイヒールなんぞ履いていたら逃げる生徒をどうやって捕獲するんでしょう?というわけでオカムラ先生が参戦。開始5秒でP君捕獲。五歳の知恵では教室の障害物を活かしきることができなかったようです。(実はこういうの結構好きです。)



泣き喚くP君を連れ出して、オフィスに連れて行きます。「自分で歩くか、僕に運ばれるか、どっちがいい。」ときくとP君はしぶしぶ「自分で歩く。」といいます。でも、オフィスを目の前にしてまた泣き始めます。騒ぎを聞きつけて校長が参上。今度は僕と校長とP君の三人で音楽室で(オフィスはどうしても嫌だというので)話をします。


ようやく落ち着いて話が聞けるようになっても"I want my picutre back"という要求の撤回はしないP君。「指示通りに作業をするまで、写真は外れたままだよ。」といってもなかなか理解しません。とにかくもう一度教室に帰ってチューリップに色をつけることに。すでに始まっていた一年生の授業をしながらPを隅っこの席に座らせて彼に色をぬらせます。色を塗れたら写真を戻させてあげて、これでようやく終了。写真さえ元に戻ればもう笑顔のP君。ゲンキンなやつだなぁ。

2007年9月24日月曜日

バナナチップス

今年の一年生は幼い。特に男の子。6人中5人がKindergartenよりも躾が悪い。去年はここまでひどくなかったに、夏休みが開けたら悪化してました。

まず、座ってられない。椅子の上に立つ。机の下に隠れる。床の上で転がる。引っ張る、突っつく、変な顔をつくって俺の意見を求める「見て見て、この顔おもしろい?」って。結構おもしろかったりするんだなーこれが。でも笑っちゃいけないから真剣な顔をして「やめなさい」っていわなきゃいけない。僕が笑ったら最後、クラス全員で変顔選手権になるし


授業はあきらめて、クラス皆で変顔大会でもしようかっていう苦労話を母(元幼稚園の先生)に話したら、
それじゃまるでサルね。動物園みたいじゃない、あなたのクラス。そういう子供達にはとりあえず飴と鞭ね。まぁ鞭は問題だから飴から試してみたら?」


何気に結構強烈な事を言ってますよ、お母様。何事もなかったように人様の子供をサル呼ばわりです。
まぁ、見れば見るほど「ああ、言われて見ればありゃ確かに人間よりサルっぽいや」って思えてくるし。そんでもって、実際のアドバイスの「飴」の件ですけど、何を与えればいいんでしょうか?

取り合えずバナナ当たりが順当かと思えるのでTrader Joe(スーパーマーケット)でバナナチップスなるドライフルーツを購入。ご褒美にこれあげるよって言ったらこれが効果抜群。こんなにあっさり買収されるなよって言いたくなるくらい簡単にいきました。

さすが!伊達に幼稚園で先生をしていたわけじゃないんですね。すごいや母さん、見直したよ。














そういえば、自分も幼い頃に食べ物で買収されていたような気が、、、

反抗期

二年生のHちゃん。前回の「アホらしい」発言に続き、またやってくれました。最近ちょっと早めの反抗期を迎えているらしく、チョイワルっぽさが目立ちます。

″All right. Today, we will review Hiragana and Katakana letters."
″Nooooo. That's so boring. I don't wanna do it."
それじゃ、今日はひらがなとカタカナの復習をするよ。
ええーそんなのつまんなーい。やりたくないよー。



さっそく強烈な切り返しを放ってきました。二年生にして「やりたくない」発言です。まぁここは落ち着いて対応。怒ってはいけません。何事も無かったように説明を始めます。

″I am going to pair you up. Once you are paired with your classmate, pick up a white board and a marker. Then, sit down and wait for my instructions."
今からペアにするから、パートナーが決まった人からホワイトボードと水生ペンを取りに来て。そうしたら、席に戻って指示を待つように。



順々に子供達をペアにしながら用意を始めます。ここでHちゃんを思いっきりシカト。無視です。するとHちゃんは「あれ、私は?」という表情。そこで反撃。
″You said you don't want to do it. So you are going to sit out for this activity."
やりたくないって言ったのは自分でしょ?じゃ、あなたはそこで座って見てなさい。


Hちゃんを座らせつつ、アクティビティーの準備。今回はクイズ形式で文字の復習です。僕の出題する問題をペアで考えながら答えをホワイトボードに水生ペンで書き、正解したペアにはポイントを加算。合計ポイントが10以上で星のシールを贈呈。(シールで喜ぶあたりがまだ可愛い)


さて、クイズゲーム開始から5分もするとHちゃんは自分の置かれた状況が理解し始めます。「ああ、自分は今、Time Outなんでゲームに参加できないんだ」と。ここでHちゃんは、顔を伏せてシクシク泣き始めます。女の子の涙にグッとくるものがありますが、ここで甘やかすと良くない。授業が終った後で一対一で話します。
″It is not about what you want or don't wnat. It is about what you have to do."
クラスは自分が何がしたくて何がしたくないってことじゃないよ。やらなきゃいけないことをすることがクラスだから。




さてさて、Hちゃんはまだ7歳。この子が13歳になったらいったいどうなることやら。今のうちに躾ておかないとね。それにしても、女の子の涙って強烈ですね。あれを見ると理屈抜きで自分がとんでもない悪人に思えてくる。

2007年9月16日日曜日

アホらしくてやってらんない

鬼のパンツは良いパンツ つよいぞー つよいぞー
虎の毛皮でできている  つよいぞー つよいぞー

五年はいても破れない つよいぞー つよいぞー
十年はいても破れない つよいぞー つよいぞー

はこう はこう 鬼のパンツ はこう はこう 鬼のパンツ
あなたも 私も あなたも 私も 
みんなではこう 鬼のパンツ!



Kindergarten、一年生、二年生の三つの学年でこの「鬼のパンツ」を歌います。もちろん振り付けもありますよ。子供たちはおおはしゃぎ。色々な日本語の歌を歌いますが、数ある歌の中で「鬼のパンツ」は間違いなくヒット曲。

ところが先週の水曜日、二年生のHちゃんが一言。
″Girls decided not to sing anymore."

もう歌は歌いませんとな?引退宣言ですよ。少々おマセな女の子が多いとは思っていましたが、知らない間に投票でもしたんでしょうか?「女の子全員、もう歌わない」と宣言されました。まぁ実際の所、言いだしっぺのHちゃんに賛同して、残りの女の子全員が歌うことを拒否。それにつられてC君までじゃあ僕もなんて言い出す始末。


二年生で「卒業」されたんじゃちょっと早すぎる。とりあえずドサクサにまぎれて歌わない宣言をしたC君には「ふーん、そうかい、C君は女の子だったんだねー」と一言。
″No, I am not!."とC君
″Then, join the rest of the boys singing."こっちはこれで決着。

そんでもってHちゃんには取り合えず「どうして?」ときいてみる。
そうしたら
″It's too silly. We are too old for this."
振り付けがアホらしいとな!?そんじゃ28歳で踊っているおれはなに。7歳児にそこまで言われるとは。
まぁ確かに。冷静にツッコミをするならそういことになるかもね。去年の二年生はみんな大好きだったんだけどなー。まだ二年生だし、もう少し子供でいてほしいなぁ。

2007年9月15日土曜日

教権

小学校の教師って、ある意味自分の教室では絶対的な権力を持っています。子供相手に「権力」だなんて大人気ないなんて思われるかもしれませんが、イチイチ生徒に「何がしたい」なんてきいていたら埒があかないし。だいたい子供のやりたい事の中に勉強が含まれているわけないし。四の五の言わずに宿題しろよぐらいの勢いは決して間違いじゃないかと。

”Why do we have to do homework?”
”Because I said so."
というわけで、この手の一見ジャイアンみたいな発言も実は当然の義務を課せているのであって、決して横暴じゃありません。


やり方は先生個人で色々ありますが、結局のところ我々教師は教育委員会から与えられた「教権」を行使してクラス運営をするわけです。もちろん「生徒の自主性」は尊重してますよ。例えば、七年生と八年生は座る席が自由にしてあります。つまり、指定された座席ではなく好きな机に座ってよい。友達と隣同士で座りたければそれも可能。孤独がよければそれもOK。ただし、この自由席において私語や内職といった問題が起きれば教権が発動され、生徒は指定の席に着き(黒板から5cmの特等席)、以後その生徒の自由席はなくなります。席を選ぶ権利と、座った席で勉強に取り組む義務。バランスとは良く言ったものでこのコインの表裏のような権利と義務の両立が中学生のクラス運営では効果的。


これが小学生になると違ってくる。まぁぶっちゃけ「その気にさせる」のがポイントかと。例えば単語の書き取りの宿題で、一単語あたり10回書いてくるのが宿題のなら、

「じゃぁ、先生とジャンケンをして勝ったら10回でいいよ。負けたら12回ね。」と

これなら僕が勝っても負けても当初の予定の10回の書き取りは宿題として出され、生徒は自分達にあたかも宿題の量が減るチャンスが与えられたような気になる。ついでに言えば宿題を出されてゲンナリしている生徒達のダウンな雰囲気も教師対生徒のジャンケンで盛り上がるし。このカラクリに気が付いたウチの生徒はまだいません。あっはっはっはっ

2007年9月5日水曜日

初日

今日はKindergartenerの初日の授業。五歳っていえば本当にちっちゃい。今年の新入生は8人。どんな子達が来るのかと思いきや、

教室に入ってくるなり泣き出すE君。あらら、挨拶もそこそこに早速号泣。「どうしたの?」と聞いてみると「おかあさーん!」
ああ、やっぱり

「お母さんは学校が終れば会えるよ。」って言っても無駄。とにかく「今」会いたいそうで。でもねぇ、お昼を食べたばかりだからまだ3時間はあるし。とりあえずそこの椅子に座ってなさい。といって自分の横の椅子に座らせる。ゲームをしても、絵本を読んでも効果ナシ。近くで自分のクラスメートが楽しい事をしているので、多少は気にはなってるみたいだけど、一度母親が恋しくなると、猛烈に家に帰りたくなるらしく、どうしても泣きやめない。そして、これがシクシクっだらまだいいんだけど、

えぐっえぐぅぅぅぅうわああぁぁぁんんん、、、、いぐずずっずずずずずっず、、、

泣き止もうとする努力も見受けられるし、頑張ってはいるんだけど、僕が声を掛けると「ういいいいぃぃぃんん!」と再点火。結構辛そうなんで「お母さんは必ず迎えに来てくれるから、大丈夫。もう半分以上おわったし、もうちょっとだよ。」って言ってみても、やっぱりだめ。その時、ふと横のほうから鼻水をすする音が。振り向くと涙を目に一杯ためたAちゃん。


      ぅっ
まずい、伝染り始めた

  
もらい泣きするんですよね、この年頃の子供達って。早くなんとかしないとクラス全員で泣きだすことに。こういう時はオフィスから助けに来てもらうしかない。インターカムで連絡をしてから三分、現れたのはアシスタントをしているJさん。ちょうどよかった。E君をちょっとの間だけ連れ出して校内を散歩でもしてきてって頼もうと思った矢先、、、、、、

"OHhhh!You miss your Mom!" ←いかにもな表情とジェスチャーで

ああああああ、それだけはダメ!地雷おもいっきり踏んでるから

「お母さんが恋しい」という言葉を聴いた瞬間、Aちゃんの涙腺堤防決壊。

2007年9月2日日曜日

にがい

夏休みの思い出
山手線内で乗り合わせた中学生達の会話から

試供品のお茶を飲みながら口々に
「うわぁ、なにこれ!にがー!」
「本当、にっがーい!」



ビックリしたー。公共の場で大きな声で言うんですもの。

んじゃ、今のをローマ字表記でどうぞ

Uwaaa! Nani kore Nigaaaaa!
Honto Niggaaaai




あはっ☆ シカゴの地下鉄じゃなくてよかったね