2007年9月28日金曜日

泣いてもダメ

幼い子供達は授業の大半がBehaviorManagementです。この年齢だと先生の話(指示)を聞けるようになることも大事。ここでBehavior Managementの写真が使いながら授業を進めていきます。(五月十八日を参照してください)


新学期が始まって4週間、Kindergartenの子供達もそろそろクラスにも慣れてきて、歌ったり絵本を読んだりするほかに、実際に机に向かって作業をしてみました。課題はチューリップの歌で覚えた三色のチューリップの絵に色を塗ること。赤、白、黄色、の三色ですが、白は紙の色が元々白いためそのまま、実際に色を塗る場所は赤と黄色の花の部分と茎と葉っぱの緑。


KindergartenのP君は挫折に弱いというか、打たれ弱いというか、まぁたんに泣き虫といってしまえばそれで終わりなんですが、とにかくすぐに泣く。しかも泣いて自分の要求を通そうとする少々困り者。今日の授業で早速僕の話を聞かずに勝手に色をぬりはじめました。もちろん、ぼくはP君に自分の写真を外すようにいいます。そうするとP君は写真を外した後、うぎゃーと泣き始め、しばらく泣き続けた後"I am sorry, OK!"と泣き叫びます。謝っているんだから、写真を元に戻せといわんばかり。これではダメ。「話を聞いて、指示の通りに作業をする」ことが写真をもどす条件なので、泣いて喚いて、"I'm sorry."と言われた所でだめです。


「そのチューリップを黄色のクレヨンで色づけしなきゃだめだよ」って言ってもP君は全く応じません。ただひたすら「写真をもどして」と言い続けます。話は平行線のまま、授業も進めなければいけないので彼にはそのまま泣き続けてもらうことにして、残りの作業を他の子供達と進めます。授業時間も終わり、結局P君の写真はそのまま外されたまま。まぁ仕方ないです。チューリップの絵を黄色で塗ればいいだけなのに、P君はひたすら泣き続けるのみ。僕も何度か説明したけれどそのたびに"Just put my picture back!"と泣き叫ぶことの繰り返し。だんだん口調が荒っぽくなっているのは気のせいでしょうか?家ではこの勢いで母親と交渉して自分の言い分を通しているんじゃないかなぁと思いつつ、しかしオカムラ先生は動じません。さぁ今日の授業はこれでおしまい。終業時間になれば生徒はクラス担任の先生に連れられて自分の教室に帰らなければなりません。


P君が只者ではないのは、ここで自分の教室に帰ることを拒否。クラスメートが担任の先生に連れられて戻り始めても断固として日本語クラスに居座り続けます。要求はもちろん自分の写真を元に戻すこと。担任のA先生が日本語クラスのなかにやってきて、P君のに「さあ帰るわよ」といって手を差し伸べたら、椅子から滑り降りて逃げ出しました。教卓の下に隠れて日本語クラスから出ることを断固拒否します。A先生が教卓の横に歩いてくるとそこから這い出して、今度は教室の隅に逃げます。A先生と追いかけっこが始まると思いきや、A先生はハイヒールを履いていました。まったく、ハイヒールなんぞ履いていたら逃げる生徒をどうやって捕獲するんでしょう?というわけでオカムラ先生が参戦。開始5秒でP君捕獲。五歳の知恵では教室の障害物を活かしきることができなかったようです。(実はこういうの結構好きです。)



泣き喚くP君を連れ出して、オフィスに連れて行きます。「自分で歩くか、僕に運ばれるか、どっちがいい。」ときくとP君はしぶしぶ「自分で歩く。」といいます。でも、オフィスを目の前にしてまた泣き始めます。騒ぎを聞きつけて校長が参上。今度は僕と校長とP君の三人で音楽室で(オフィスはどうしても嫌だというので)話をします。


ようやく落ち着いて話が聞けるようになっても"I want my picutre back"という要求の撤回はしないP君。「指示通りに作業をするまで、写真は外れたままだよ。」といってもなかなか理解しません。とにかくもう一度教室に帰ってチューリップに色をつけることに。すでに始まっていた一年生の授業をしながらPを隅っこの席に座らせて彼に色をぬらせます。色を塗れたら写真を戻させてあげて、これでようやく終了。写真さえ元に戻ればもう笑顔のP君。ゲンキンなやつだなぁ。

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