2007年4月2日月曜日

家族旅行

春休みの直前の一週間は期末試験期間です。自分の感覚だと、この時期に学校を休むのはできるだけ避けるべきなんでしょうけど、アメリカ人ってどっかしら感覚が日本人とズレてるんでしょうか。火曜日あたりからバンバン家族旅行とかに出掛けてるし。

「テストはどうするんだ?成績つかなくてもいいのか?」と言ってやりたい。
「お前達、そんな悠長なことやってると痛い目をみるぞ」と叫びたい。

テストを受けなかったら、当然その分は0点になるわけで、通知表に「F」が付くのが必然なんですが、どうしてこう、その辺が理解できないんでしょう?




水曜日の朝に家族旅行に旅立つ生徒が数名いたので、月曜日と火曜日の放課後に補習とテストをしました。あのクソ忙しい中、風邪を引きながら、期末試験を逃したら大変だろうから、と思って補習までしながらテストをしたんです。火曜日の補習の後にテストをして、「これで成績は付くから安心して遊んでおいで。」と言って生徒と別れた時、迎えに来ていた親の中に

「ウチの子供だけ早い時期にテストをするなんて聞いてないわよ!不公平だわ」と仰るお母様が一名

これには参った。事前に連絡してあったんですけどね。そんなの聞いてないと言わんばかり。挙句の果てには「こんなんで悪い成績が付くようだったら、校長に直訴します。」とのたまう始末。こっちは自分の時間と労力を割いて生徒のためにやってるんですけどね、、、、、


あっはっはっは、あんまり我が侭言ってると先生怒っちゃうぞー









ウチの学校は生徒の人種が25%ごとに分かれています。つまり、白人、黒人、ヒスパニック、そしてアジア。つまりこの四種類の人種が25%ずつで全校生徒を構成しています。




ここで問題です。感謝の無い、自分の立場をわきまえない、失礼千万で、クソ生意気な発言はどの人種のお母様からでしょう?











黒人と答えたあなた、残念。違います。あの生意気な口の利き方はGhetto(スラム)直輸入かと思いきや、肝心な事を見落としています。そもそもEbonics(黒人英語、何を言ってるのかさっぱり解からないラップの延長と思ってもらえば)なんて中西部の英語に慣れ親しんだオレの耳には全く聞き取れません。話が逸れました。見落としていた肝心な事、そう、それは春休みに10日間のカリブ海クルージングなんてブルジョワな旅行ができるだけの経済力を持った黒人家族は皆、郊外に住んでいるという事実。シカゴの街中に取り残された彼らの多くはSocio-Economic Statusは貧困ラインすれすれ、もしくはそれ以下。春休み中は学校給食がない分だけエンゲル係数が高まることでしょう。


ヒスパニックと答えたあなた、アメリカの事を知らなさ過ぎる。彼らがアメリカを出国する時、それはつまり、強制送還の時。アメリカで生まれた子供は生まれながらに市民権を持ってますが、お父さんお母さんはちょっと危ないかも、、、、ていうか、夏から居候中の、英語を全く解しない、遠い親戚の叔父さんなんて限りなく黒だと思います。そういう時はINSの目に付かないように静かにしているのが一番。アメリカ政府はメキシコとの国境に壁を作る事を本気で考えているらしいので、行きは良くても帰りは命がけの壁ジャンプなんてことも。
実際の所、経済的にはあまり豊かではない家庭が多いので、家族旅行はそんなに簡単じゃないとうのが本音でしょうか。


それじゃ、アジア系と答えたあなた。もしかして日本のお高くとまったセレブママを想像していませんか?ウチの学校でアジア系といえば専ら中華系ですが、彼らはあまり遠出をしている気配がありません。今日は学校帰りに(春休みでも出勤してました)中華街で髪を切ってきたんですが、自分の生徒と3人も会いました。きっと家族連れで夕食にでも来たんでしょう 、、、、、、、、ってせっかくの休みにホームカミングしてどうする?外に出ろ。どのみち毎日きてるでしょ?何が悲しくてチャイナタウンに帰って来るんだ。たまには自分達の生活圏から外に出てみようじゃないか!ねぇ?


と言うわけで、答えは白人。あの何でも自分の思い通りにしようとする、ならなきゃ上の人間に直接掛け合って話を通そうとする、こういう不遜な物言いは彼らのオハコです。もちろん全員じゃありませんよ。あくまでも一部ですから。





せめて一言「ありがとう」って言われたら、それだけで自分の苦労が報われて、やってよかったて思えるんです、、、、、やっぱり感謝の言葉って大切ですよね。

ネタに人種を絡めたんで、今回はちょっと収集が付かなくなるかも、って危ぶんだんですけど、なんとか綺麗に纏まりました。


















補足します
Ebonicsは決して「悪い英語」ではありあません。起源には色々な説がありますが、有力な説はアフリカの様々な部族の言葉や訛がプランテーションで生活する間に混ざって、英語のアクセント、文法、語彙に影響したものです。その為、Ebonicsは英語とは異なる別の言語として、大学によっては教科として教えるほです。
ヒスパニック系移民ですが、これは微妙です。現行の移民法がどれだけ守られているのか。また、細部を突き詰めていくと、どこまでが合法で、どこから違法なのか。移民票目当てのその場限りの特別措置もステータスを解かりにくくしています。明らかに違法な手段で入国しても「なんとかなる」方法があるのも事実ですし、その為に、正規のルートで帰化した人までもが不当な扱いを受けているのも事実です。
中華系移民ですが、彼らは行く先々で中華街を形成して、その中に留まる傾向があります。生活の全てが中華街で賄えるので、外国にいて中国のように生活ができるわけです。移住して10年たっても英語が全く解らない人なんて結構います。

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